海外からの観光客9月受け入れ断念 インドネシア・バリ、2021年再開へ
失業者、無給待機者、不動産売り出し
観光業が危機的状況に陥っているバリ島では経済状況も悪化しており、これまでコロナ禍の影響による観光業での失業者は2667人に上り、無給での待機状態となっている人は7万3631人になっているという。
最近はバリ島内で倒産の危機に見舞われているホテルをはじめとする不動産が多く売りに出されているものの、価格をかなり低く設定しても買い手が付かない状態が続いているという。
8月23日現在のインドネシア全体のコロナ感染者数はフィリピンに次いで東南アジア域内で2番目の15万3535人、感染死者数は域内で最悪の6680人となっている。このうちバリ島は感染者4513人、死者52人となっている。死者数はこの1カ月で4人増加しただけだが、感染者数は現在も依然として毎日約100人の増加を記録しており、国内観光客を受け入れてはいるもののまだまだ安全であるとは言い難い状況が続いている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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