文在寅大統領「8・15演説」、日本との対話を強調 その事情とは......
文在寅大統領の退陣を求める集会も
例年の8月15日、ソウル・光化門広場を中心に大規模な反日集会が開かれてきた。ボイコットジャパン旋風が巻き起こった2019年8月15日、その光化門広場で文在寅大統領の退陣を求める集会が行われた。
慰安婦支援を標榜する正義記憶連帯が旧日本大使館前で主催した反日集会は、主催者発表2万人が集まったが、はるかに上回る5万人(主催者発表5万人、警察発表4万人)が文在寅大統領の退陣を求めた。
保守系団体は今年の光復節も文在寅大統領の退陣を求める集会を計画した。26の保守系団体が申告した参加予定者は昨年を大きく上回る12万人に達したが、ソウル市が待ったをかけた。新型コロナウイルスの集団感染が確認されたのだ。
ソウル市は13日、集会禁止命令を発令し、強行する団体に罰金を科すと通知した。ソウル市と警察は、8月15日、光化門広場にバリケードを設置し、大規模集会のたびに参加者が陣取る世宗会館の入り口を封鎖した。
保守系団体は集会を中止すると公式発表した一方、集会が行われるという噂を流し、多くの人が広場を目指した。地下鉄駅は通勤ラッシュを超える混雑となり、周辺道路は遠方の参加者を乗せた十数台の貸切バスが列を成した。
一部で参加者と警察の小競り合いがあったが、全国の高校や中学の校旗が並べられた場所では、記念写真を撮る同窓生の姿が見られ、広場に隣接するカフェや駅近くで販売していたヤクルト、国旗を販売する屋台に向かう人々の姿があった。
広場周辺が人々で溢れかえり身動きが取れなくなると、警察はバリケードを一部解除したが、雨足が強まって建物の軒下や駅に避難するなど、まとまりがない集まりに終始した。
今年の光復節は大きな混乱はなく、また、成果もなかった
一方の反日団体も大規模集会を開催することはなかった。韓国検察が、例年、大規模な反日集会を主導してきた正義記憶連帯の前理事長で実質的代表である尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員を足止めしたのだ。検察は13日午後、不正会計の容疑で尹美香氏に出頭を命じ、14日未明まで14時間半に渡って取り調べを行った。
韓国のデモや集会は時として暴動に向かうが、ソウル市、警察、検察の連携で、20年の光復節は大きな混乱はなく、また、成果もないまま幕を閉じた。光復節翌日の8月16日、ソウルで141人の新型コロナウイルス感染者が確認され、韓国政府は首都圏の防疫レベルを引き上げた。