最新記事

感染症対策

ロシア、国内製薬Rファームの新薬承認 新型コロナウイルスの増殖抑制

2020年7月9日(木)16時26分

ロシアは、国内製薬大手Rファームが開発した新たな抗ウイルス薬を新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認した。写真は新型コロナウイルス感染症を避けるためにマスクをして自転車に乗る男性。ロシアのクラスノゴルスクで5月撮影(2020年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシアは、国内製薬大手Rファームが開発した新たな抗ウイルス薬を新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認した。同社が8日、発表した。

症状が軽度あるいは中程度の患者を対象にした臨床試験で、新型コロナウイルスの増殖抑制に高い効果が示されたという。

同社は発表文書で「新型コロナウイルスが引き起こす合併症ではなく、ウイルス自体に対処するロシアや世界で初めての薬の1つになる」とした。

臨床試験では7日間の治療で外来患者の55%に症状の改善が見られ、標準的な原因療法による改善率20%を上回った。

5日目には体内からウイルスが除去された患者が77.5%に上ったという。

同社の医療責任者は発表文書の中で、ウイルスの増殖を効果的に阻止することで感染をかなり早期に食い止められることが臨床試験で確認されたと述べた。

同社の抗ウイルス薬はロシアで登録された新型コロナ治療薬としては3つ目となる。

ロシアでは8日時点で新型コロナ感染者は70万0792人、死者は1万0667人となっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新型コロナ、血液型によって重症化に差が出るとの研究報告 リスクの高い血液型は?
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200714issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザの砂地から救助隊15人の遺体回収、国連がイスラ

ワールド

トランプ氏、北朝鮮の金総書記と「コミュニケーション

ビジネス

現代自、米ディーラーに値上げの可能性を通告 トラン

ビジネス

FRB当局者、金利巡り慎重姿勢 関税措置で物価上振
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中