最新記事

北朝鮮

金与正「米朝首脳会談は米に有益なだけ」 米国を脅す意図は否定

2020年7月10日(金)10時30分

北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、米朝首脳会談は米国に有益なだけだと指摘した上で、今後の会談の可能性に含みを残した。ハノイで昨年3月撮影(2020年 ロイター/KJorge Silva/Pool)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、米朝首脳会談は現時点では米国に有益なだけだと指摘し、今後の会談の可能性に含みを残した。また、北朝鮮に「米国を脅す意図はない」とも述べた。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が10日、伝えた。

与正氏は、米朝首脳の再会談について、個人の見解として、年内に行われることはないかもしれないが「(どうなるかは)分からない」と述べた。

また、「われわれは決して非核化しないとは言っていない。だが、いまはできないと明確にしている」と語った。

与正氏の発言のトーンは以前よりもやや軟化しており、同氏は今回、先週4日の米国の独立記念日を祝う映像を見る許可を特別に得たことも明らかにした。

同氏は「われわれは米国を脅す意図はない」とし、「彼らがわれわれを攻撃しない限り、すべて今まで通りだ」と述べた。

一方で、兄の金正恩氏は同氏にトランプ米大統領と良好な関係を築くよう指示していたが、たとえ米朝首脳の関係が良好でも、米政府は敵対的な姿勢に戻るだろうとけん制した。

ポンペオ米国務長官は9日、米政府は北朝鮮との対話に引き続き取り組んでいるとし、対話は継続できると強く期待していると表明。

韓国を訪問していた米国の北朝鮮担当特別代表であるビーガン米国務副長官は8日、今回の訪問に合わせて北朝鮮当局者との会談を模索したとの報道を否定したが、協議再開には前向きな姿勢を示していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、9日の新型コロナウイルス新規感染224人を確認 過去最多を記録
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200714issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬

ビジネス

中国人民銀、アウトライトリバースレポで3月に800

ビジネス

独2月小売売上は予想超えも輸入価格が大幅上昇、消費
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中