韓国、28年ぶりに「少女像」前で集会できなかった慰安婦支援団体 対立深まる
「記者会見形式」で水曜集会が行われた
正義連と保守系団体の対立が深まった7月3日、ソウル市鐘路区庁は旧日本大使館や聯合ニュース本社がある通りを新型コロナウイルスの拡散を防ぐ感染症予防法に基づく集会制限区域に指定した。
違反して集会を実施すると主催者と参加者に300万ウォン(約27万円)以下の罰金が科される。警察は違法集会を強行した団体には解散命令を辞さない考えだが、学生団体が慰安婦像周辺で座り込みを続けている。
集会禁止命令が下された直後の7月8日水曜日、正義連は慰安婦像を取り囲んで1447回水曜集会を記者会見形式で実施した。記者会見は事前申請は必要なく、自治体の集会禁止命令も及ばない。普段1時間程度行っている集会を短縮して、参加者も10人前後に制限するとしたが、守られることはなく40人近くが参加した。
一方の自由連帯も「記者会見」を実施した。警察は正義連と自由連帯間の衝突を防ぐため、慰安婦像がある場所を半分に分けて2団体を配分したというが、自由連帯のキム・サンジン事務総長は、警察が正義連側に多くの空間を割り当てたとし、警察の不公正と職権乱用の責任を問いたいと述べた。
「集会」には警察の権限が及ぶが「記者会見」は曖昧
「記者会見」形式の集会は、正義連と自由連帯がはじめてではない。駐韓米国大使館が、6月初旬、記者会見形式の集会を制止できないか警察に相談している。駐韓米国大使館が面する光化門広場では、3年前から民衆民主党が反米集会を開催している。在韓米軍の撤収を掲げる団体だ。
6月3日と4日に20人余りの党員が、米大使館が面する光化門広場で、米国大使の追放を求める政党演説会を行った。警察は「集会」に変質したと見て調査に入ったが、民衆民主党は届け出の必要がない「記者会見」だという主張を繰り返した。
ハリー・ハリス駐韓米国大使はツイッターに「デモに同意しないが、民主主義国家の韓国で平和にデモする権利を尊重する」とコメントした。
判例は、特定または不特定多数人が共同の意見を形成し、対外的に表明することを目的で集まる場合を集会と解釈するが、警察の権限が及ぶ集会と権限が及ばない記者会見の境界は曖昧で、警察が「記者会見」に介入するたびに、裁判で争われている。