RIP木村花 ネットの悪質コメント、日米韓それぞれの対応
悪質コメントを笑い飛ばすアメリカ
さて、リアリティー番組の本場ともいわれるアメリカでは、番組の演出も日本より過激に演出され放送されている。その分、反感を買う出演者も多く誹謗コメントが集まりやすいが、どのように対処しているのだろうか?
アメリカでも、サイバーブリングと呼ばれるネット上でのいじめが多発している。この問題を何とか解消しようと、17歳の少女トリーシャ・プラブが世に送り出したネットいじめ防止アプリ「ReThink」が話題だ。文字入力するとアプリと連動し、送信ボタンを押す前に「コメント内容をもう一度考え直してみない?」というメッセージが表示される。これはトリーシャが、若干13歳の時に自らプログラミングしたアプリだという。
一方、悪質コメントに落ち込まず、逆に馬鹿にして笑い飛ばしてしまおうという逆転の発想を持つ番組も存在する。トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」の人気コーナー「Mean Tweets(意地悪なツイート)」では、ハリウッド俳優たちが、Twitterに書き込まれた自分への誹謗中傷コメントを読んで、逆に馬鹿にして笑い飛ばす企画だ。
また、2015年に歌手のマドンナがインスタグラムに投稿したメッセージが、今多くの人に支持されている。髪の毛をピンク色にしたことに対し、「歳を考えろよ!笑」という内容のアンチコメントが集中しことについて「うるさいわね。私に嫉妬しているビッチたち。あなたたちが私の歳になった時、私ぐらい人生に挑戦し楽しめているかしら? やれるものならやってみなさい。お手並み拝見よ」ときっぱりと言い放った。
インスタグラムが誹謗中傷防止機能
世界の企業も、悪質コメント問題に対処する動きを見せている。インスタグラムは5月18日、「誹謗中傷コメント防止機能」を次のアップグレードで追加することを発表した。これは、親会社であるフェイスブックが、四半期ごとにフェイスブックおよびびインスタグラムのコミュニティ規定施行現況を発表しているが、5月12日に公開された報告書によると、2019年10月から2020年3月の「自殺コンテンツ事前感知率」は、2019年第2, 3四半期対比12%も上昇した。 さらに削除などの規制措置が取られた書き込みは40%も増えていることから、何とかしようとこの機能の導入を決めたようだ。
韓国は事務所をあげての法的処置や、炎上の多かったサイトのコメント欄閉鎖などの対処方法を取っている。一方アメリカは、書き込む方を逆に笑い飛ばす風潮から、影響されない強さが感じられる。
もちろん、日本でも情報開示請求をして、書き込んだ相手を特定し、「名誉棄損罪」もしくは「侮辱罪」として処罰を求めることができる。しかし、時間も労力もかかるため実際に訴える人は少ないのだろう。さらに、テレビに出ていると「誹謗中傷も有名税」と片付けられてきたことも、今後は問題視するべきだ。これからは一方的なしつこい誹謗中傷は、もう殺人予告とみなして取り締まるべきではないだろうか。
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