中国、香港国家安全維持法案を可決 欧米との対立激化も
香港返還から23年となる7月1日の集会も禁止
香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが関係筋の話として報じたところによると、新華社通信は30日午後に法案の詳細公表を予定しており、香港政府の当局者らは中国政府の出先機関で同日中に法案に関する会合を開く見通し。
中国と香港の当局はこれまで繰り返し、国家安全法制はごく一部の「トラブルメーカー」だけを対象としており、香港における人権や言論・集会の自由、投資家の権利は守られると述べてきた。
香港政府はただちに新法を公布、施行するとみられる。
香港の警察当局は新型コロナウイルス対策の行動制限を理由に、香港返還から23年となる7月1日の集会を禁じた。1日までに法が施行された場合、集会への参加が犯罪行為とみなされるかどうかは不明。
複数の活動家や民主派の政治家は禁止令に反して集会を実施する意向を示している。
日本政府の菅義偉官房長官は30日午前の会見で、中国による香港国家安全維持法案が可決されたなら、香港と緊密な経済関係と人的交流がある日本にとって遺憾だと述べた。
台湾は新法を強く非難し、蔡英文総統は「非常に失望した」と述べた。
欧州連合(EU)欧州議会は先に、香港に国家安全法制が導入された場合、中国政府を国際司法裁判所に提訴するようEUに求める決議を採択している。
*内容を追加しました。
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