最新記事

中東

イラン、トランプの逮捕状取得 革命防衛隊の司令官殺害関与の疑い

2020年6月30日(火)09時49分

イラン検察当局は29日、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害に関与したとして、トランプ米大統領ら当局者の逮捕状を取得し、国際刑事警察機構に「国際逮捕手配書」の発行を要請した。写真はソレイマニ司令官の顔写真と米国旗の一部。1月21日、テヘランの元米大使館の建物前で撮影(2020年 ロイター/Nazanin Tabatabaee/WANA (West Asia News Agency) via REUTERS)

イランの検察当局は29日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害に関与したとして、トランプ米大統領のほか35人の当局者の逮捕状を取得し、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)に「国際逮捕手配書」(赤手配書)の発行を要請した。イランのファルス通信が報じた。

米国は今年1月3日、イラクの首都バグダッドの空港でソレイマニ司令官らを乗せた車列を空爆し、同司令官を殺害。国防総省は声明で「トランプ大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」と表明した。

イラン検察当局は殺人とテロリスト行為に対する逮捕状を取得したと表明。トランプ大統領の任期切れ後も責任を追求し続けるとした。

トランプ氏以外の逮捕状取得者には軍関係者らが含まれるとしたが、詳細については明らかにしなかった。

この件について米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏は、「政治的な性質を持つ問題で、国家安全保障のほか、国際平和や国際安定の促進に一切関係ない」と指摘。イランのプロパガンダに過ぎないとし、国際刑事警察機構は国際逮捕手配書の発行に応じないとの見方を表明した。

インターポールは声明で「いかなる政治、軍事、政治、人種に絡む介入や活動」への関与は禁じられているとし、こうした内容の「要請を検討することはない」とした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染60人を確認 6月の感染者合計886人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200707issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月7日号(6月30日発売)は「Black Lives Matter」特集。今回の黒人差別反対運動はいつもと違う――。黒人社会の慟哭、抗議拡大の理由、警察vs黒人の暗黒史。「人権軽視大国」アメリカがついに変わるのか。特別寄稿ウェスリー・ラウリー(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「和平構想に前向き」、復活祭停戦後の戦闘

ビジネス

トランプ氏、早期利下げ再要求 米経済減速の可能性と

ビジネス

関税の影響「控えめの公算」、FRBは状況注視=シカ

ワールド

ローマ教皇フランシスコ死去、88歳 初の中南米出身
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 2
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 5
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 9
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 10
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中