韓国、航空運賃が下落し、済州島観光が人気
国内線ティーウェイ航空カウンター、国内旅行は人気だ 撮影:佐々木和義
<ソウル郊外の金浦空港国際線ターミナルは閑散としているが、国内線は済州島や釜山に向かう人々で賑わいを見せている......>
2020年6月、ソウル郊外の金浦空港国際線ターミナルは閑散としている。日本、中国、台湾線が就航するターミナルは、3か月以上、発着した便がなく、日本航空と済州航空のカウンターは、幟(のぼり)が放置されたままになっていた。一方、国内線は済州島や釜山に向かう人々で賑わいを見せている。
済州島を訪れる韓国人が増えている
新型コロナウイルスの感染拡大で海外渡航が難しい今、済州島を訪れる韓国人が増えている。済州新羅ホテルが6月上旬に受け付けた7月と8月の予約は昨年同時期の2倍に達した。
国内航空運賃の低価格化が進んでいるのだ。海外路線の休止を余儀なくされた韓国の航空各社は、ソウルや釜山と済州島を結ぶ路線を増便し、航空運賃が下落した。片道運賃が5千ウォン (約450円) 代まで下がった便もある。
5月初旬の大型連休、ソウルと済州島を結ぶ航空路線の搭乗率は80%を超え、高級ホテルの客室予約率が90%を超えるなど、済州観光公社の試算で17万9千人の国内旅行者が済州島観光を楽しんだ。韓国観光公社が5月中旬に行ったアンケート調査でも、再開後に訪れたい国内観光地は済州島が43.3%で最も多く、江原道、慶尚道、釜山と続いている。
済州観光の目的は、グルメが61.6%で最も多いが、自然景観鑑賞58.9%、トレッキング47.8%など人混みを避けるスタイルが人気で、博物館やテーマパークは昨年の44%から22.5%に半減している。
5月の訪日韓国人はわずかに20人
韓国外交部は、6月20日、全国家・地域対象の特別旅行注意報を再発令した。海外旅行警報第2段階の旅行自制より厳しく、第3段階の撤収勧告以下に相当する。特別旅行注意報は3月23日に発令された後、2度の延長を経て6月20日に解除される予定だった。
一方、航空各社は国際線の運航再開を計画する。大韓航空は米ダラスやウィーン路線の再開を計画し、ロサンゼルスやサンフランシスコ、パリ、ロンドンなど欧米路線の増便を予定する。アシアナ航空は、3月9日以降、休止していた仁川-関空線の運航を7月から再開し、下旬からは毎日運航を予定する。ロンドン、パリ、イスタンブール線も運航を再開して、香港やベトナム、タイと欧米路線など運航便数を増やす計画だ。