最新記事

新型コロナウイルス

新型コロナ「勝利宣言」のニュージーランドにも新規感染者

New Zealand Sees New COVID-19 Cases Days After Declaring Virus Eliminated

2020年6月18日(木)13時15分
スー・キム

8日に「ウイルス排除」を宣言し行動規制を全面解除していたアーダーン首相 REUTERS/Martin Hunter

<厳しいロックダウンで感染拡大を封じ込めた優等生ニュージーランドでも、連続24日間「新規感染者ゼロ」の記録が途切れた>

ニュージーランドの保健省は6月16日、国内で新型コロナウイルスの新たな感染者2人が確認されたと発表。これで24日間続いた「新規感染者ゼロ」の記録が途切れた。

同国のジャシンダ・アーダーン首相はこの1週間前の8日、ニュージーランドが国内から新型コロナウイルスを一掃したと宣言していた。

「今のところ、ニュージーランドは新型コロナウイルスを排除できていると確信している。しかしウイルスの排除は限られた時間でできるものではなく、今後も継続的な努力が必要だ」

今回、首都ウェリントンのハットバレー地区で新たに感染が報告された2人は、それぞれ30代と40代の女性。2人は家族で、イギリスからカタールの首都ドーハ、オーストラリアのブリスベンを経由して、7日にニュージーランドに到着した。到着後は隔離のためにオークランドにある施設に滞在していたが、親が死去したため政府の特別許可を受けてウェリントンに移動した。2人とも、現在は自主隔離をしているという。

米ジョンズ・ホプキンズ大学の最新の集計によれば、これでニュージーランドの感染者数は計1506人となり、このうち22人が死亡。これまでに1482人が回復している。

「闘いは終わっていない」

アーダーンは15日、世界各地で今も新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、今後は海外から帰国する市民や特別な事情により許可を受けた人々が入国するのに伴い、再び感染者が出る可能性が高いと警告していた。「闘いは終わっていない。国民には、闘いがもう終わったとは思って欲しくない」と彼女は述べた。

ニュージーランドは、新型コロナウイルスとの闘いを経て、世界に先駆けてある程度の日常を取り戻した国のひとつで、8日には国内の各種規制が全面的に解除された。入国制限は継続しているが、屋内外での集まりや小売店、宿泊・飲食サービスや公共交通機関の利用にはもう制限がない。

13日には、ウイルスの感染拡大が始まって以降初めてラグビーが再開。ハイランダースとチーフスの試合が行われたフォーサイスバースタジアムは、2万人を超えるファンで埋め尽くされた。観客にマスク着用や社会的距離の確保を義務づける制限はなかった。

<参考記事>英米メディアが絶賛、ニュージーランドが新型コロナウイルスを抑え込んでいる理由とは
<参考記事>日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中