追い詰められた文在寅 対北朝鮮「融和路線」最大の試練に
打つ手なし
北朝鮮の強腰が鮮明化した今週、文氏の与党の一部メンバーは米国に対して、工業や観光面で南北経済協力を再開できるような制裁適用除外を要請した。
与党は、18年の南北会談での合意事項で具体的な批准手続きに動くことも表明していた。
だが、今やすっかり意気消沈した、ある大統領府高官は17日、北朝鮮が破棄しようとしている合意を今さら批准する意味はないとこぼした。
以前に非核化問題で韓国の特使を務めたChun Yung Woo氏は、北朝鮮の狙いは軍事衝突ではなく脅威を与えて韓国に圧力を加えることで、それが効果を発揮する可能性があるとの見方を示した。
同氏によると、文政権が南北交流を諦めることは不可能で「さまざまな譲歩をするしかない」という。
とはいえ、足元で韓国政府に広がっているのは困惑と落胆だ。先の大統領府高官は記者団から次の一手を問われると「われわれはまだ協議を続けている。状況は動いており、今後の予想に基づいて全てを決定せず、事態を慎重に見守る」と述べ、具体策がないことを示唆した。
Hyonhee Shin
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