「この貞淑な花嫁は......男だ」 イスラムの教え強いインドネシア、ベール越しのデートで初夜まで気付かず
愛らしいティアラを付けた貞淑な新妻の正体は Ist/Lombok Post via facebook
<甘いひとときとなるはずの初夜が気まずい雰囲気に暗転、夫が新妻に不審を抱き始めた......>
インドネシアの世界的観光地バリ島の東にある西ヌサテンガラ州ロンボク島は、国際レベルのビーチリゾートと素朴なインドネシアの田園風景が続く「隠れた観光地」あるいは「喧騒のバリ島を逃れた人を癒す島」として知られている。そのロンボク島西部のスンギギビーチのある西ロンボク県のジェロゴル村で6月2日、1組の夫婦がめでたく結婚式を挙げた。
新郎、新婦側の親戚、知人そして宗教関係者らが参列した結婚式も無事終わり、新婚夫婦は初めての夜を2人だけで迎えることになった。
本来なら新婚夫婦だけの甘い時間が流れるはずの新婚初夜だったが、新郎ムーさん(31)が新婦のMITさん(25、警察はイニシャルしか公表せず)を夫婦の行為に誘ったもののMITさんがこれを固辞。それも恥ずかしさと貞淑さのためと理解したムーさんは何度も繰り返し誘った。しかし新婦は「生理が始まった」と拒否し続けたためたため、最後は重苦しい雰囲気に変わったものの、ムーさんは「生理では仕方ない」と初夜の儀式は延期となったと地元メディアは伝えている。
その翌日、MITさんはムーさんに対して突然「離婚したい」と言い残して家を出て行ってしまったという。
どうも新婦の様子がおかしいと思い始めたムーさんは、MITさんの実家へ向かい近所の人達から事情を聞きはじめ、そこで隣組の長から衝撃的な事実を告げられた。
「MITは男だ、この辺じゃ誰もが知っている」
ネットで知り合い、数回の交際で結婚
ムーさんが結婚した相手はこともあろうに同じ男性で、形の上では同性婚となったのだった。だがインドネシアにおいて同性婚は法律上許されない婚姻だ。
ムーさんの訴えを受けて捜査に乗り出した地元西ロンボク警察からの情報や地元メディア「トリビューン・ニュース」「ロンボク・ポスト」などの報道を総合すると、ムーさんとMITさんはフェイスブックを通じて5月初旬ごろに知り合い、その後個人的な連絡を頻繁にとる仲になり、お互いに好意を寄せるようになった。
そして西ヌサテンガラ州の州都でもあるロンボク島の都会マタラムのウダヤナ通りでデートすることになり、カフェで初めて直接会ったという。