米政権のデモ弾圧を見た西欧諸国は、今度こそアメリカに対する幻想を捨てた
U.S. Allies Look on in Dismay While U.S. Rivals Rejoice
「トランプ政権は、どのような目的のためであれ、リーダーシップを示す努力を一切してこなかった。全ては取引であり、トランプの個人的な問題だった。だからトランプ政権には、衝撃を和らげる力や回復力がない」と、複数の共和党政権で高官を務めたロバート・ゼーリックは指摘する。
だがおそらく、将来ヨーロッパがトランプ政権の最大の問題と見なすのは、アメリカの外交政策を「予想不能」にしたことだろう。トランプはオバマの功績の多くを白紙に戻し(おそらく次に民主党から大統領が選出されればトランプの政策の多くについて同じことをするだろうが)、同盟諸国に混乱と不安感をもたらした。
フランス国際関係研究所のナードンはこう語った。「アメリカは信用できない。アメリカの約束が効力を持つのは、その約束をした大統領の在任中だけだ。次の大統領がまったく違うことを言う可能性だってある」
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