「ドイツの黒人はドイツ人とは認められない」 ベルリンで起きた共感のデモ
制限緩和により増える各種デモ
週末のデモ隊は "I can't breathe," "Justice for George Floyd"など世界共通となったスローガンを掲げ、比較的穏やかに行進したが、マスク着用や1.5メートルの身体距離の確保が守られたとは言い難い。
ベルリンでは土曜日だけでも約30のデモがあった。一時期頻発し千人規模の群衆を集めた、新型コロナ対策に反発し陰謀説を唱える「衛生デモ」あるいは「コロナデモ」などは80〜100人程度の小規模なものにとどまったようだが、一部で極右勢力にあおられた約250人のデモがあったようだ。
また日曜日には、ナイトクラブや音楽業界をサポートする名目で企画された抗議集会で約1500人の若者が集結(こちらも当初の申請は100人だった)。だが結局、市内を流れるシュプレー川に300〜400のゴムボートが浮かび、上半身裸の若者たちが大音量で音楽を流す「水上レイヴパーティー」となってしまった。川岸にいた人も含めると3000人ほどが関わったと言われている。警察が出動した結果、騒音と、身体距離が確保されていないことなどから、イベントは終焉となった。
だが、川沿いの病院では今も新型コロナ感染者の治療が行われている。イエンス・シュパーン保健相が約束した医療従事者への「コロナ・ボーナス」もまだ一部にしか行き渡っておらず、8万〜10万もの人員不足といわれる過酷な条件のなかで懸命に治療にあたる医療従事者を尻目に行われた無神経な騒音パーティーに、集中治療看護師の一人が怒りを表すとともに、騒音が患者に与えた影響を心配している。