全米暴動、トランプは米軍を投入するのか
Trump Has Military Poised to Intervene, Whether Governors Want It Or Not
プライド月間の6月、2015年(オバマ大統領時代)には虹色にライトアップされたホワイトハウスだがWhite House, June 1st
— Sean Bonner Ⓥ (@seanbonner) June 1, 2020
2015: Lit up with rainbow lights to celebrate Pride month
2020: External lights turned off in fear of nearby protesters pic.twitter.com/jrkA5gUaNA
トランプは、デモ開始当初から、米軍を使うことを考えていたようだ。5月28日、黒人男性が警官による暴行の後に死亡し、デモの発火点となったミネソタ州のティム・ウォルツ知事が州兵の動員を決定すると、トランプは「米軍は常に全面的に支援する」とウォルツに言ったとツイートしている。暴力賛美だとしてツイッター社が警告と付けて有名になったフレーズも、この投稿にあった。「われわれは事態を掌握するだろうが、略奪が始まったら発砲が始まる」
州兵の動員にあたってウォルツは、州兵は「警察ではない」と強調した。だがミネソタ州兵の司令官であるジョン・ジェンセン少将は、州兵たちはFBIから「確かな脅威を示す情報」を得ており、武装していると語った。ジェンセンは、武装した州兵たちに法の執行権限がある訳ではないとしつつも、現場の司令官たちには「自衛権がある」と語った。
米国内での作戦に関する兵力使用規定(SRUF:機密扱い)によれば、「司令官には、敵対的な行為や意思表示を受けた場合、周辺の部隊も含め、危険に陥った部隊の自衛権を行使する権利と義務がある」とある。
国内での軍事力の行使は(各州知事の管轄下にある州兵であっても)一触即発の危険性を秘めているため、SRUFは海外での戦闘活動に適用される交戦規定(ROE)よりもずっと制約が厳しい。NORTHCOMの高官によれば、今回の暴動についてのSRUFと準備命令には、「武力は最後の手段としてのみ使用すること」と明記されている。
「反乱法」の発動なるか
ウォルツ知事は5月30日までに、ミネソタの州兵1万3200人を総動員することを承認した。同日夜にはミネアポリスやセントポールの市街地に、催涙ガスなどが使われた場合に備えてガスマスクを着用した州兵たちが配備された。
30日夜までには、アリゾナ、カリフォルニア、ジョージア、インディアナ、ケンタッキー、ネバダ、オレゴン、テネシー、ユタなどの各州でも激しいデモが勃発。各州でさらなる州兵の動員が決定された。州兵たちはそのほぼ全ての州で、政府関連の建物を守りつつ「秩序を回復し、器物損壊をできる限り食い止める」任務を課されている。
5月31日朝までに、ミネソタの州兵は5025人が配置に就き、「すぐに1万800人まで増やしていく」予定だと発表。ジョージア州は3000人を動員する予定を明らかにした。
米国防総省は、現段階では各州から連邦軍の派遣について「要請」はないと主張している。だがもしトランプが、めったに使われたことのない1807年の反乱法を発動するか、州兵の司令官たちが危険を感じて自衛権を行使すれば、州知事の意向が通らなくなる可能性もある。
(翻訳:森美歩)
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