最新記事

スポーツ

韓国プロ野球、コロナ禍で開幕遅れるMLBに代わりアメリカで人気

2020年6月7日(日)17時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

韓国のNCダイノスがノース・キャロライナ州での人気に応えたツイート
 

ノース・キャロライナがホームに?

全米で中継が開始されることによって、多くの人が初めてアメリカ以外のチーム同士による野球を目にした。野球を待ち焦がれていた人びとは、それがまったく知らない海外のチームだったとしても、その魅力に段々と引き込まれていったようである。

その一例としてメジャーリーグ球団をもっていなかったノース・キャロライナ(North Carolina)州では、チーム名に同じ「NC」が付くNCダイノスが、まるで自分たちのホームチームのように人気が高まっているそうだ。韓国の球団側もこの声援にこたえるように公式SNSで「North Carolina is in our hearts(ノースキャロライナは私たちの心の中に)」と呼びかけ話題となった。

こうした韓国野球の人気を受けて、ムン・ジェイン大統領は、5月6日自身のSNSに「KBO開幕に合わせ、アメリカ日本で生中継されたことを喜び、このことによって更なるK野球の水準が世界で認められたことをうれしく思う。」と発信している。今後は今まで以上に、スポーツ分野も国をあげて海外進出を勧めるものとみられる。

アメリカ経由で世界へ発信

KBOは、5月22日「韓国プロ野球は、アメリカ・日本に続き、ヨーロッパ、アジア、アフリカ地域の主要国家130か国に生中継されることが決まった」と発表した。この中継拡大は、ESPNを通じたアメリカでの成功を元に決まったため、カナダ、メキシコなどを含む北米全域、ヨーロッパ全域、アジア一部地域、中東及びアフリカ全地域が、ESPNのネットワークを通じて放送される予定だ。

韓国は、K-POPや映画などのエンタメはもとより、一般企業なども海外へのアプローチがかなり上手だ。これまで、国をあげて積極的なアピールを続けた結果、今では世界中で愛されるアイドルを次々と生み出し、韓国映画も世界中から注目されるようになった。そして、次はスポーツでの世界進出である。

謙虚で控えめが美徳とされる時代はもう終わった。これからは、いかに魅力的なコンテンツをもっているか、そして、それらを出し惜しみせず積極的に海外へ進出するべきである。


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染26人 3日連続で20人以上
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国ではなぜ新型コロナ第2波のリスクが高まったのか
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集

ビジネス

製造業PMI11月は49.0に低下、サービス業は2

ワールド

シンガポールGDP、第3四半期は前年比5.4%増に

ビジネス

中国百度、7─9月期の売上高3%減 広告収入振るわ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中