構想から5年──ダライ・ラマ14世のデビューアルバムとは
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<「音楽は意見の相違を超え、人間を本来の姿と善意に立ち返らせてくれます」。ダライ・ラマによるマントラの詠唱と音楽が融合すると...>
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、85歳の誕生日に合わせてデビューアルバム『Inner World(インナーワールド)』を7月6日にリリースする。インナーワールドは、チベット仏教のマントラやチャント(聖歌)とアンビエントミュージックをミックスさせた幻想的な11曲で構成されている。
このアルバムの構想はニュージーランドのミュージシャン、ジュネル・クニンと夫のエイブラハムよって温められてきた。ダライ・ラマの教えを音楽と組み合わせたストレス解消となる何かを作りたいと考えてきた。
アルバムには、グラミー賞にノミネートされたシタール奏者のアヌーシュカ・シャンカールがゲスト出演するなど、数十人のミュージシャンが参加。また、尼僧のRobina Courtinが書いた仏教の教えの利点を説く小冊子ではオリジナルのイラストとともにマントラの恩恵が解説されるという。
完成までに5年
クニンは数年前、ダライ・ラマ14世の教えが込められた音楽を探していたという。人生へのプレッシャーに対処し、生きやすくするのに役立つと考えていた。数年前ダライ・ラマ法王事務所に話を持ちかけたものの、断られたが、2015年にインドを旅行した際に、アルバムの構想を記した手紙をダライ・ラマの助手を通じてダライ・ラマに渡すことができ、賛同を得て、アルバムプロジェクトは動き始めた。
そこから完成までに5年を要したアルバムへの思いをダライ・ラマ14世はこう語っているという。「私の人生の目的は、出来うる限りの奉仕をすることです。音楽は私にはできない方法で人々を助けることができる」「音楽は意見の相違を超え、人間を本来の姿と善意に立ち返らせてくれます」
アルバムの収益は、マインド&ライフ研究所のほか、エモリー大学とダライ・ラマのガデン・ポドラン財団によって開発された国際的な教育プログラム「社会性と情動と倫理の学習プログラム (SEE Learning)」に寄付される。