韓国、アイドルファンも抗議デモ 愛すればこそ、裏切られた怒りは激烈
事務所に乗り込み、メンバーが釈明
アイドルファンたちの抗議行動と言えば、頭に思い浮かぶのは、2009年9月13日に行われたK-popアイドル「2PM」のメンバー・ジェボムの脱退に反対するデモだ。2PMのファンたちによる100以上ものファンサイトの有志が集まり結成された「2PMファン連合」を中心に、約2000人のファンたちが集まった。
事の発端は、アメリカ国籍であるジェボムが、4年前アメリカのSNSに「韓国が嫌いだ」という内容を投稿して韓国民から非難が集中したことに始まる。その後、ジェボムはアメリカに帰国した。この一連の騒動に対し、ファンたちは「JYPエンターテインメントは、管理責任の甘さを棚に上げ、全てをジェボム本人の責任にして脱退に追い込んだ」と抗議したのだ。
翌2010年2月、公式にジェボムへ解雇が言い渡されると、ファンたちはさらに激怒し、なんとファン代表87名と2PMのメンバー、そして事務所社長が4時間にも及ぶ懇談会を開いた。ファンたちがアイドルのメンバーを含め、事務所社長に会いに行くなど日本では考えられない行為である。
日本版も出来たファン投票オーディション番組でも
昨年、韓国芸能界を揺るがした人気オーディション番組「PRODUCE 101」シリーズの視聴者投票順位の操作問題。5月29日、ソウル中央地裁では、不正を行った番組プロデューサー2人に実刑判決が下された。この事件でも、もちろんファンたちはデモを行っている。2020年1月22日、シーズン4によってデビューしたアイドル「X1」のファン約1000人が、この番組が放送された放送局MnetがあるCJ E&M本社前で抗議の座り込みデモを行ったのだ。
視聴者投票による順位でデビューメンバーが決まるはずだったこのオーディション番組では、制作陣が裏で順位を入れ替えるという不正行為が発覚。X1は、その騒動に巻き込まれる形で、せっかくデビューしたのにもかかわらず、たった5カ月間で解散することが発表された。これに納得がいかないファンたちが集まって、番組側に抗議したのだ。
また、このシリーズのシーズン2から生まれたK-POP男性アイドル6人組「JBJ」でも抗議デモが行われている。番組終了後、人気が高かったが落選してしまったメンバーが集まって誕生したグループだったが、期間限定という制約付きだったため、解散の期限が近づくにつれてファンたちの間で延長を求める声が高まり、座り込みデモを敢行するまでとなった。