韓国、アイドルファンも抗議デモ 愛すればこそ、裏切られた怒りは激烈
世界的人気アイドルEXOではファン同士の対立も
最近ニュースでも報道され、大きな話題となったアイドルデモと言えば、K-POPアイドル「EXO」のメンバー・チェンの電撃授かり婚に対してグループ脱退を求める座り込みデモだ。
今年1月13日一般女性との結婚を報告したチェンだったが、これに激怒したファンたちが、所属事務所であるSMエンターテインメント本社の前で5時間にも及ぶ座り込みを行った。また、デモに参加できない地方在住者などは、SNSにてグッズの破壊や、チェンの写真を踏みつけるなどのパフォーマンスを載せて抗議した。
さらにその後、ネット上では、脱退要請のデモ参加者ファンたちと、チェンの幸せを願うメンバー残留希望ファンたちとの間で衝突が起こり、「ネットブリング」と呼ばれるオンライン上でのいじめにまで発展し問題視されている。
ファンのコミュニティの成立が日本と異なる
韓国では、スターやアイドルは憧れの対象でありながら、日本のように雲の上の存在と言うよりは、意見すれば届く距離にあるようだ。このような違いの大きな要因の一つは、韓国ではファンのコミュニティが自主的に発足されている点だと言えるだろう。
日本でファンのコミュニティといえば、所属事務所が作るファンクラブであり、会員は年会費などを払って会報やコンサートチケットの先行購入権などが与えられている。一方、韓国ではファンサイトなどの多くコミュニティは、ファンたちが自発的に作り運営している。そのため無料であることが多く、その分、冒頭で紹介したようにアイドルの誕生日祝い広告やスタッフへのケータリングを手配するなど、自主的にアイドルを応援し還元している。
それだけに、事務所が応援するアイドルたちのことをないがしろにしたり、アイドル本人がファンを蔑んだりすることに対して、許せない気持ちが強まるのだろう。
間違った運営方法や反感を買う行動があったとしても、日本ならただファンを辞めるか、新曲の不買、せいぜいネットで不満をぶちまける程度だ。しかし、韓国では団結して抗議することによって、ファンの力で変えていく。その姿は、政府や国に対しデモ運動を起こして自由を勝ち取ってきた韓国特有の現象なのかもしれない。