リモートワーク「先進国」アメリカからの最新報告──このまま普及か、オフィスに戻るか
WORK FROM HOME NATION
アウル・ラブスの調査によれば、コロナ禍の前の時点でも、アメリカのオフィスワーカーの約半数は、在宅勤務を選択肢として認めてほしいと考えていた。給料が5%下がってもリモートワークがいいという人も3分の1以上いた。
とはいえ、コロナ問題が収束したときに誰もが在宅勤務を続けたいと思うかと言えばそうではないだろう。IBMやベスト・バイのように、リモートワークを試験導入したもののオフィス勤務に戻した企業もある。
「リモートワークを常に義務付けられるのは嫌だという人は多い。オフィスにいない時間が増えるほど、仲間意識や帰属意識は失われかねない」と言うのは、SHRMのジョニー・テイラー社長兼CEOだ。
オフィスで培われる人間関係は、働く人の生活だけでなく企業の業績にもいい影響をもたらす。ハーバード・ビジネス・レビュー誌に発表された論文によると、「親友」の同僚と一緒に働いている人はそうでない人の7倍もよく働くという。
テキサス州の政府の下請け業者で働くジャステン・サナク(29)は猫と「2人」暮らし。引っ込み思案な性格で自分の「充電」のために家で過ごす時間は欠かせない。そんな彼でもこう言う。「かといって充電ばかりでもいられない。いつでもオフィスに戻る用意はある」
<2020年5月19日号「リモートワークの理想と現実」特集より>
【参考記事】仕事をする時間、孤独感の解消、仕事用スペース...在宅勤務5つのアドバイス
【参考記事】Zoom、Slack、Houseparty 危険だらけの在宅勤務向けアプリ
2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。