新型コロナ対策の規制緩和した韓国 感染症と暮らす「新しい生活様式」とは
クラスター発生しやすい教会の対策
韓国は、道を歩けば屋根に十字架の付いた教会をすぐに見つけられるほどクリスチャンの多い国だ。また韓国の感染拡大の始まりがキリスト系新興宗教団体でのクラスターだったこともあり、宗教施設の再開は注目を浴びていた。
これまでの規制期間中は、オンラインやドライブスルーのミサなど、韓国らしい独特なアイデアを実施して注目されていたが、規制が緩和され実際に教会に集まるようになると、マスクの着用、手指の消毒や手袋の使用、入場時の体温チェックなどはもちろん、バーコードでの入場管理まで導入する教会も登場した。
ソウル市汝矣島に位置する聖堂では、バーコード付きの信者カードを配布し、入退場を管理している。教会内では2m間隔を確保するため、座る位置にもステッカーで目印がつけられ距離が分かるように工夫された。また、芸能人も多く訪れる大型教会として有名なソウルの純福音教会では、純福音教会出席管理システムという独自システムを導入し、「聖徒登録証」と呼ばれるメンバーカードを機械にかざして入場できる方法を取っている。
映画祭はネットとリアルのハイブリッド開催
韓国と言えば、一年中大小さまざまな映画祭が行われているが、三大映画祭の一つ全州国際映画祭は、前代未聞の無観客映画祭の実施を発表し話題を呼んでいる。本来なら毎年4月末頃に全州市で開催していた映画祭だったが、今年は新型コロナ感染拡大のために5月末開催へと1カ月延期が決定していた。しかし、全体的な開催リスクを考慮し、今回の無観客での開催決定が発表された。全州映画祭によると、無観客国際映画祭は世界で初の試みだという。
開幕式の華であるレッドカーペットやゲストの招待、各種イベントはすべてキャンセルされ、映画の上映はオンラインで行われる。コンペティション部門については、審査員たちがオフラインで映画館に集まり、審査のためだけの上映をして選考するそうだ。
さらに、映画祭期間終了後、今回の招待映画を順番に一般映画館で上映すると約束している。今年全州映画祭で上映が予定されていた映画の本数は200本を超えるが、6月上旬から9月末にかけて順番にすべての映画を公開することが目標だと語っている。
【関連記事】
・緩むとこうなる?制限緩和を試みた韓国にコロナのしっぺ返し
・東京都、新型コロナウイルス新規感染10人 3月下旬以来の少なさ
・WHO、複数の新型コロナウイルス治療薬に注目 ワクチン開発は難航と予測
・韓国・梨泰院のクラスター、新型コロナ感染102名に ゲイの濃厚接触者の追跡がネックに