最新記事
米中関係米、新型コロナウイルスめぐり中国への報復措置検討
米当局者ら複数の関係筋は、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り中国に対する報復措置を検討する動きが米政権内で出ていることを明らかにした。ただ、こうした動きは初期段階にあるとして慎重な見方も示した。米国防総省で2018年11月9日撮影(2020年 ロイター/Yuri Gripas)
米当局者ら複数の関係筋は、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り中国に対する報復措置を検討する動きが米政権内で出ていることを明らかにした。ただ、こうした動きは初期段階にあるとして慎重な見方も示した。
米当局者が匿名を条件に語ったところによると、さまざまな選択肢が検討されているものの、トランプ大統領の国家安全保障担当トップのレベルには達しておらず、大統領にも提示されていない。
別の関係筋2人によると、現時点では国務省やホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)、財務省、国防総省など複数機関の当局者が非公式にさまざまな選択肢を議論しているという。
関係筋の1人は、米国は中国から防護具を輸入しているほか、通商協議に悪影響を及ぼすことにも慎重だとして、「中国にどの程度強硬な措置を講じ、どのように適度に調整するか議論が交わされている」と述べた。
関係筋2人によると、中国への制裁発動や、新たな関税またはその他の貿易制限のほか、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」を中国に対し認めない措置などが検討されているという。
ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)らNSC関係者から報復措置を求める声が強い一方、財務省当局者は慎重な対応を促しているもようだ。
関係筋らは、議論はきわめて予備的な段階にあり、近く大きな措置が講じられるとはみられていないと話した。
米紙ワシントン・ポストは30日、関係筋の情報として、米政府高官が中国保有の米国債の一部を帳消しにすることを協議していると報じた。米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は「全くの誤り」として報道内容を否定した。
トランプ大統領は29日、ロイターのインタビューで、新型コロナへの中国の対応巡りさまざまな選択肢を検討していることを明らかにし、「私には多くのことができる」と述べた。
ポンペオ国務長官はこれまでに、米政府は現時点でウイルスとの闘いを優先しているが、いずれ中国の責任を問う時が来ると警告している。
【関連記事】
・政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性
・東京都、新型コロナウイルス新規感染46人確認 都内合計4152人に
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?
2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。