最新記事

韓国

韓国政府、「K防疫」の成果を発信する最中に集団感染が再発

2020年5月18日(月)15時30分
佐々木和義

その梨泰院を全国各地のネイティブ講師や教職員が連休中に訪問したことが確認された。韓国南西部の全羅南道と光州市は60人、中西部の忠清北道は44人、江原道は61人、釜山からも34人のネイティブ講師や教職員が訪れていたことが判明し、教育部は調査対象を塾講師や高校生にも広げている。

梨泰院を訪問した仁川の塾講師はマスクを着用せずに授業を行い、塾の受講生や同僚、家庭教師先など11人に感染が見つかった。感染が確認された2人の受講生が教会の礼拝に参加していたことから、仁川市は教会信者1050人の検査に着手した。

遊興飲食店には、事実上の営業禁止措置

中央災難安全対策本部は、全国のクラブや酒場など遊興施設に1か月間の営業自粛を勧告し、ソウル市は市内の遊興施設に無期限の集合禁止命令を発令した。やむを得ず営業する場合、従事者の体温測定と台帳の作成、利用客など出入する人には姓名と電話番号を記載してもらい、身分証の確認を義務付ける。

従事者はもちろん利用客にもマスクの着用を義務付ける。マスク未着用者の入場は禁止し、利用客は飲食物を摂取する時を除いてマスクを着用しなければならない。違反すると300万ウォン(約26万円)以下の罰金が科され、感染者が発生した施設は治療費や防疫費などの損害賠償金を負担する。遊興飲食店は集会目的の利用者が多く、事実上の営業禁止措置である。

一方、若者の街として知られる弘大(ホンデ)は活況

クラスターはクラブに関連するが、梨泰院全域で閑古鳥が鳴いている。飲食店を訪れる客はいなくなり、出前注文も皆無に等しい。梨泰院のカフェを訪れた会社員は2週間の休暇を命じられ、タクシーは梨泰院に向かう客を拒絶する。

一方、若者の街として知られる弘大(ホンデ)は活況を呈している。梨泰院を避ける若者が集まっているのだ。域内にある41のクラブは休業するが、居酒屋には長い行列ができ、マスクを外した利用者は、日付が変わるまで談笑する。弘大がある麻浦(マポ)区は、午後6時から11時まで職員が巡回するなど、点検を実施している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中