韓国の「社会的距離の確保」規制は、意外と緩かった......
スポーツセンターの休業で運動不足に悩む市民は繁華街を避け、ゴルフ場や近郊の山々に繰り出している。ソウル北部の北漢山を訪れた登山客は昨年同期より45.7%多く、登山靴は売上が54.1%増加した。登山関連の売上は2014年をピークに減少傾向が続いていたが、特需を受けたメーカーは登山やウォーキング関連商品の開発に注力をはじめている。
ゴルフ用品も好況だ。アパレルメーカーのハンセMKはゴルフウェアの売上が前年同期と比べて26.8%増え、ヒョンジのゴルフウェアブランドも3月第3週から週20%のペースで伸びている。ロッテ百貨店は4月6日から12日の1週間に、登山服は前週比30.8%、ゴルフ関連用品は5%多く売上げた。
公園は家族連れで溢れた
ソウル市は4月11日と12日の週末を警戒した。桜の満開とキリスト教会最大の祝日である復活祭が重なったのである。
市の懸念は的中し、多くの市民が公園に殺到した。満開の桜の下で写真を撮る人々や芝生にレジャーシートを敷く家族連れで溢れ、公園内のコンビニエンスストアに行列ができるほどだった。汝矣島漢江公園を抱える永登浦(ヨンドンポ)区庁は、スピーカーを設置して2メートルの間隔を維持するよう案内するが効果はない。警察官が統制できないほど多くの人が押し寄せたのである。
週が明けると、オフィス街の飲食店が賑いを見せる。明洞に隣接する中区乙支路(ウルチロ)3街のビアホールは午後7時ごろから仕事帰りの会社員が集まりはじめ、2時間ほどで満席になった。江南や弘大といった繁華街を避ける会社員がオフィス街の居酒屋やビアホールに集まっているのだ。
社会的距離を確保する期限が迫った4月18日、在宅勤務を続ける会社員の間から規制解除を憂慮する声が上がりはじめる。規制が解除されると在宅勤務は終了し、子供たちは通学する。ブルーマンデー症候群に似た症状が広がった。
一部施設の運営制限を解除へ
政府は5月5日まで社会的距離の確保を続ける一方、一部施設の運営制限を解除すると発表した。宗教施設や遊興施設、室内体育施設、学習塾等の「運営中断」を「運営自粛」に緩和した。入口で発熱を確認し、人と人の間隔を1メートル確保する。共用品の使用は禁止し、1日2回以上の換気など防疫指針の遵守を義務付ける。
4月24日までの1週間で新たに感染が確認された人は100人を下回り、隔離解除者は650人余りとなっている。政府は5月6日以降さらに緩和し、生活の中で距離を置くことを目指したい考えだ。