最新記事

コロナパニック

米、新型コロナウイルス死者4万人突破 経済活動再開急ぐトランプを州知事たちが批判

2020年4月20日(月)15時19分

ロイターの集計によると、新型コロナウイルス感染症による米国の死者は19日、4万人を突破し、感染者は74万人を超えた。一部の州で外出制限に抗議するデモが発生する中、感染拡大が深刻な州の知事は、早期の経済活動再開を求めるトランプ大統領を批判し、検査体制の拡充を求めた。写真は4月19日、ニューヨーク市ブルックリンで撮影(2020年 ロイタ/Andrew Kelly)

ロイターの集計によると、新型コロナウイルス感染症による米国の死者は19日、4万0500人を突破し、感染者は75万人を超えた。一部の州で外出制限に抗議するデモが発生する中、感染拡大が深刻な州の知事は、早期の経済活動再開を求めるトランプ大統領を批判し、検査体制の拡充を求めた。

ニューヨーク州では入院患者数が1万6000人と、一時の1万8000人から減少。人工呼吸器を装着した患者も減少した。1日当たりの死者は一時700人を超えていたが、この日は507人に減少した。

同州のクオモ知事は「この傾向を持続できれば、ピークを過ぎたことになる。現時点では、減少に向かっていることがあらゆる兆候からうかがわれる」と述べた。その上で「まだハーフタイムにすぎない」とし、人との接触を避ける対策などを継続するよう求めた。

クオモ知事は、感染した人の数を把握するため、大規模な抗体検査を今後1週間に実施する方針を明らかにした。1日当たり2000人、1週間で1万4000人を検査する。ニューヨーク州の人口は1900万人。

クオモ氏ら複数の州知事は、新規感染者を発見するウイルス検査の拡充のほか、経済再開に向けた計画の一環として免疫の有無を調べる抗体検査の実施を強く要求している。

メリーランド州のホーガン知事(共和党)はCNNのインタビューで、各州には十分な検査キットがあるとするトランプ大統領やペンス副大統領の主張について「完全に誤っている」と述べた。

バージニア州のノーサム知事(民主党)もCNNで、州に十分な検査キットがあるとの見方は「妄想」だと語った。

メリーランド、バージニア両州と首都ワシントンでは、依然として感染者が増加している。また、ニュージャージー州は19日、新規感染者が約3900人と、過去2週間余りで最多になったと報告した。ボストンやシカゴもこのところ感染者や死者が急増しており、感染者の集中する「ホットスポット」になりつつある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中