最新記事

コロナパニック

米、新型コロナウイルス死者4万人突破 経済活動再開急ぐトランプを州知事たちが批判

2020年4月20日(月)15時19分

オハイオ、テキサス、フロリダなど一部の州はこれまでに、5月1日かそれ以前をめどに経済活動の一部再開を目指す考えを示している。ミシガン、オハイオ両州の知事は19日、検査で必要な試薬などの入手で連邦政府の支援があれば、検査を2倍か3倍に増やすことが可能だと述べた。

トランプ大統領は16日、米経済の再開に向けた指針の中で各州に対し、3段階の再開プロセスを開始するにあたり、感染者の「減少傾向」が14日間続く状況を目安にすることを提言した。

その一方で17日にはツイッターへの投稿で、早期の経済再開を求める市民の抗議デモを鼓舞するかのように、ミシガン、ミネソタ、バージニア各州の民主党知事に対し、州を「解放」するよう要求した。

ワシントン州のインスリー知事は、トランプ大統領のこうした発言について、外出制限に関する州法に違反するよう促しているとして強く批判。「米国大統領が国民に法律違反を促すような事態は、見たことがない」と述べた。

ワシントン州の州都オリンピアでは、50人以上の集会が禁止されているにもかかわらず、推定2500人前後が集まって州知事の外出禁止命令に抗議。集会の主催者がマスクの着用を要請したにもかかわらず、着用していない参加者も多く見られた。

コロラド州の州都デンバーでは数百人が自動車で道路を渋滞させ、州の経済封鎖の解除を要求した。これに対して手術着やマスクを着用した医療従事者が交差点に立ち、デモに抗議した。

トランプ大統領は19日、ワシントンでの記者会見で「こうした人々は米国を愛している。彼らは仕事に戻りたいんだ」と発言した。

外出制限措置の解除を求めるデモは、テキサス、ウィスコンシン、オハイオ、ミネソタ、ミシガン、バージニア各州でも発生している。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス、なぜ再び陽性になる? 韓国で進む研究と新たな疑問
・イタリア、新型コロナウイルス死者増加が小幅加速 全土封鎖の成果いまだ出ず
・国連「アフリカ、新型コロナウイルスで30万人死亡・2900万人が極度貧困の恐れ」
・新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ロシアに高関税・制裁警告 ウクライナ合

ビジネス

スイス中銀、マイナス金利再導入可能 物価と為替を注

ワールド

イラン副大統領、トランプ氏の「合理的行動」に期待

ワールド

フーシ派、日本郵船運航船の乗員解放 拿捕から1年2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 4
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 5
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    【クイズ】長すぎる英単語「Antidisestablishmentari…
  • 8
    トランプ就任で「USスチール買収」はどう動くか...「…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中