ブラジル、新型コロナウイルス対策で後手に回る政府 スラム街はギャングが外出禁止を仕切る
急速な感染拡大と対応の限界
保健省の発表では、ブラジルの新型コロナ感染者は24日時点で2201人と急増し、関連死亡者も46人になった。
全人口の5分の1がファベーラに集まっているリオデジャネイロ州の感染者は305人。ウィルソン・ウィゼル州知事は20日、州の医療システムは15日間以内に「崩壊」する恐れがあると警鐘を鳴らした。
リオ市のマルセロ・クリベラ市長は、各ファベーラの入り口に無料で使える石けんを配備するとともに、基礎疾患がある高齢者をホテルなどに移送する方針を表明し、既に400室を確保していると述べた。
クリベラ氏は21日、「最もリスクの高い人をできるだけ早く保護する必要がある」と訴え、24日には市内で一番往来が活発な地域全体の清掃作業に乗り出したと強調した。
それでもリオデジャネイロ連邦大学の感染症専門家エドミルソン・ミゴフスキ氏は、公衆衛生面でファベーラは引き続き重大な課題を抱えていると指摘。「人口密度が高く、(医療)支援の計画も習慣も乏しい地域に新型コロナが入ってくれば、壊滅的な事態になってもおかしくない。水や石けん、洗浄剤が乏しい場所で、感染拡大を止めるのは困難だろう」と話した。
(Ricardo Moraes記者、Debora Moreira記者、Rodrigo Viga Gaier記者)
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