最新記事

感染症対策

NY州・カリフォルニア州、外出禁止や非必須事業を停止 新型コロナウイルス抑止へ

2020年3月21日(土)07時30分

米カリフォルニア州で、新型コロナウイルスの感染防止に向け、約4000万人の住人に外出禁止令が発令された。写真はサンフランシスコのエンバカデロセンター。3月19日撮影(2020年 ロイター/Kate Munsch)

米カリフォルニア州で、新型コロナウイルスの感染防止に向け、約4000万人の住人に外出禁止令が発令された。米ニューヨーク州でも非必須事業の停止と従業員の在宅勤務を義務付ける行政命令が出る見通しとなっている。

ニューソム・カリフォルニア州知事は19日、同州の全住民に当面、原則として外出を禁じる外出禁止令を出した。

会見で、外出禁止令について、今後8週間に同州住民の約56%に当たる2500万人が新型コロナに感染する可能性があるとの専門家の予測を踏まえた措置と説明。「住民は(外出禁止令に)従うと確信している」と述べた。

食品や薬の購入、医師の受診、一部仕事のための外出は認める。実施期間は明言せず、少なくとも8週間は続くとの見解を示した。

クオモ・ニューヨーク州知事は20日、全ての非必須とされる事業の営業を停止し、非必須の従業員を自宅にとどまらせる行政命令を同日中に発令する見通しと発表した。

クオモ知事は「最も抜本的な行動」とし、「屋内にとどまり、外では単独で運動すべき」と促した。

行政命令の違反者には罰金が科され、命令に従わない事業は閉鎖されるとしつつも、屋内退避令でもカリフォルニア州のような外出禁止令でもないと強調した。

ニューヨーク州ではこれまでに7102人の感染を確認。うち4408人はニューヨーク市で確認されている。カリフォルニア州では1000人以上が感染、死者は19人。20日午前時点で、米国内での感染者は1万2000人超、死者は200人超。

デブラジオ・ニューヨーク市長はMSNBCとのインタビューで「トランプ大統領は存在感がない」とし、明確な計画を示していないと批判。さらに「われわれにはマスクも人工呼吸器もない」とし、トランプ氏が軍を投入しない限り、ニューヨークの病院では数週間以内に医療用品が不足する可能性があると述べた。

また、米連邦航空局(FAA)は、従業員に新型コロナの陽性が判明したことを受け、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港の航空管制塔を一時閉鎖したことを明らかにした。残りのスタッフは空港内の別の場所から業務を続けるという。

*情報を追加します

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義
・新型コロナ:中国「新規感染者数ゼロ」の怪
・日本が新型肺炎に強かった理由


20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中