ネタニヤフの5期目続投でイスラエルは独裁へ?
Netanyahu Again?
だがネタニヤフは、ユダヤ民族主義とナショナリズムを利用する名人だった。ユダヤ人有権者の3分の2に上る「見捨てられた」人々は、ネタニヤフ陣営による反アラブの扇動と、リベラルなエリートたちによる世俗主義への非難を好意的に受け止めた。
歯切れがいい対パレスチナ政策にも、彼らは賛同した。ネタニヤフは米トランプ政権の偏向した中東和平案に基づき、パレスチナ人の土地を一方的に接収する計画だ。
ネタニヤフが首相続投に成功すれば、おそらくイスラエルを独裁に向かわせる白紙委任状を得たと考えるだろう。その第一歩は司法を自分に従わせることかもしれない。トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領やポーランドの右派ポピュリスト政権がそうしたように。
<本誌2020年3月17日号掲載>
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2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症VS人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。