最新記事

感染症対策

新型ウイルス世界各地で感染広がる WHO「封じ込め逸すれば深刻な問題に」 

2020年2月22日(土)10時15分

新型コロナウイルス(COVID─19)の新規感染者が中国本土で増加し、韓国やイラン、イタリアでも感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は新型ウイルスの世界的な感染拡大の封じ込めに向けた「絶好の機会」が狭まっていると警鐘を鳴らした。写真はWHOのロゴ。2月6日撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)

新型コロナウイルス(COVID─19)の新規感染者が中国本土で増加し、韓国やイラン、イタリアでも感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は21日、新型ウイルスの世界的な感染拡大の封じ込めに向けた「絶好の機会」が狭まっていると警鐘を鳴らした。

中国当局は過去24時間で、新たに892人の感染を確認。死者は118人。現時点で中国本土で確認されている感染者は累計7万5567人、死者は2239人。

当局はこの日、発生源とされる湖北省以外の国内2カ所の刑務所で新型ウイルスがまん延し、計234人が感染したと発表。湖北省の刑務所でも271人の感染が確認された。

同省はまた、19日に確認された新規感染者数を当初発表の349人から775人に上方改定。感染の判断基準変更に伴い除外されていた症例を積み増すとした。

中国共産党の最高意思決定機関である党中央政治局は、新型ウイルスの感染拡大がまだピークに達していないとの見方を示した。

中国以外では、韓国で新たに100人超の新型コロナウイルスの感染が確認され、感染者は計204人に達した。

イラン保健当局は新型ウイルス感染で新たに2人が死亡したと発表。死者は計4人になった。新たに13人の感染も確認され、国内での感染者は18人に増えた。

レバノンでは初の感染が確認された。イランから到着した45歳の女性という。

イタリアでも新たに16人の感染が確認された。初めての国内感染例が含まれる。

テドロス事務局長は、感染拡大を封じ込められるという考えは変えていないとしながらも、「封じ込めに向けた絶好の機会は狭まっている。迅速に対応する必要がある」と警告。「状況はどの方向にも展開する可能性がある。うまく対応できれば深刻な危機は回避できるが、対応の機会を逸すれば深刻な問題に直面する」と述べた。

テドロス氏はイランでの感染拡大は「大きな懸念」と指摘。WHOの感染症専門家、シルビー・ブリアン氏も「異なる場所で、それぞれ異なる感染パターンが見られている」とし、感染形態は多様化しているとの認識を示した。

横浜に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された患者も630人を超えた。

一方、米疾病対策センター(CDC)は、退避した米国人329人中18人が陽性と診断されたと発表。幹部のナンシー・メソニエ氏は「米国ではまだ地域感染は確認されていないが、いずれそうした状況に陥る可能性は高い」とし、新型ウイルスまん延の可能性に備え、学校の閉鎖や企業の休業といった措置を講じることができるよう、今後数週間で用意を整えたいと述べた。

[北京/ソウル/ジュネーブ/ロンドン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「マスクは今週1億枚を供給、来月には月産6億枚体制へ」=菅官房長官
・文在寅を見限った金正恩......「新型コロナ」でも問答無用
・感染者2200万人・死者1万人以上 アメリカ、爆発的「インフル猛威」のなぜ


20200225issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月25日号(2月18日発売)は「上級国民論」特集。ズルする奴らが罪を免れている――。ネットを越え渦巻く人々の怒り。「上級国民」の正体とは? 「特権階級」は本当にいるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国憲法裁、尹大統領の罷免決定 直ちに失職

ビジネス

先駆的な手法を一般化する使命感あり、必ず最後までや

ワールド

米ロ関係に前向きな動き、ウクライナ問題解決に道筋=

ビジネス

外部環境大きく変化なら見通しも変わる、それに応じて
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 3
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 6
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 7
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 10
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中