最新記事

英王室

ヘンリー王子が「ただのハリー」としてデビュー

Prince Harry Drops Royal Title, Asks to be Introduced by First Name Only

2020年2月27日(木)15時50分
カレダ・ラーマン

「ただの人」として講演をしたイギリスのヘンリー(元)王子(2月26日、エジンバラ) Andrew Milligan/REUTERS

<最後の公務のためにイギリスに帰国した王子はスコットランドでのイベントに出席し、「ただのハリー」と紹介して欲しいと求めた>

イギリスのヘンリー王子は2月26日に出席したイベントで、もう王子ではないので、ただ「ハリー」と紹介してほしいと頼んでいた。

ヘンリー王子は、王室の主要メンバーとしての最後の公務のために、滞在していたカナダからイギリスに帰国。26日には、スコットランドのエジンバラで開催された「持続可能なツーリズム」について講演した。王子が大手旅行サイトと共同で立ち上げた団体の会合だ。

通常であればヘンリー王子には「殿下」の敬称が用いられるが、王子と妻のメーガン妃は3月末をもって英王室の主要メンバーの地位を退くことになっている。「殿下」「妃殿下」の敬称も返上だ。

BBCの報道によれば、26日のイベントでは事前に司会者が「王子から、ただハリーと呼んで欲しい、という明確な要望があった」と説明。それから「ハリー」をステージに読んだ。

講演でヘンリー王子は、観光部門の持続可能性を高めていく上で、スコットランドの観光産業は「最前線」におり、イギリス全体と世界の手本になることができると語った。「スコットランドは世界で最も速いペースで成長している観光地のひとつで、より持続可能なアプローチを目指す上での最前線に立っています。だからこそ、こうした問題についての皆さんの見識がとても重要なのです」

<参考記事>ヘンリー王子夫妻「王室離脱」でエリザベス女王にいじめ批判

公爵・伯爵・男爵の称号は維持

ヘンリー王子とメーガン妃は1月に、王室の主要メンバーの地位を退くと発表。今後はイギリスと北米を行き来しながら、経済的にも独立した生活を送ると表明しており、3月31日をもって公務から引退する。

バッキンガム宮殿内にある2人のオフィスは閉鎖され、4月1日以降は王室ではなく自分たちで立ち上げた慈善基金が夫妻を代表することになる。

夫妻の報道官は2月に入ってから、「サセックス公爵夫妻は今後、イギリスと北米の両方で時間を過ごすことになる。これまで同様にパトロンとして各種団体を支援し、年間を通じてイギリスおよびイギリス連邦に携わっていく計画だ」との声明を出した。

<参考記事>人種差別と偏見にまみれたイギリスから、ヘンリー王子とメーガン妃が逃げ出すのは当然

報道官はまた、サセックス公爵夫妻と王室との新たな取り決めについては、12カ月後に見直しが行われる予定だともつけ加えた。

ヘンリー王子とメーガン妃は、英王室の主要メンバーの地位を退いた後もサセックス公爵および公爵夫人の称号をはじめ、ダンバートン伯爵および伯爵夫人、キルキール男爵および男爵夫人など複数の称号を維持する。またヘンリー王子は陸軍少佐、海軍少佐と空軍少佐の階級を保持するものの、王室離脱に際して設けられた12カ月の「移行期間」の間はそれらの階級を使用しない。

20200303issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月3日号(2月26日発売)は「AI時代の英語学習」特集。自動翻訳(機械翻訳)はどこまで使えるのか? AI翻訳・通訳を使いこなすのに必要な英語力とは? ロッシェル・カップによる、AIも間違える「交渉英語」文例集も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中