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感染症クルーズ船内「悲惨な状態」 神戸大・岩田健太郎教授、厚労省を告発
新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船した神戸大学医学部の岩田健太郎教授が、感染症対策の専門的な処置が取られていないなどと船内の対応を批判する動画をインターネットに投稿した。写真は船内での検疫作業。REUTERS
新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船した神戸大学医学部の岩田健太郎教授が、感染症対策の専門的な処置が取られていないなどと船内の対応を批判する動画をインターネットに投稿した。
岩田教授の説明によると、18日に厚生労働省関係者の許可を得てDMAT(災害派遣医療チーム)の一員として船内に入った。
岩田教授は、アフリカでエボラ出血熱、中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)と向き合ったときにはなかった恐怖を感じたと説明。「アフリカにいても中国にいても怖くなかったが、ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごく悲惨な状態で、心の底から怖いと思った」と語った。
ウイルスが存在するエリア、存在しないエリア、不明なエリアを分けて身を守るという感染症への対応では当たり前のことが、船内では行われていなかったという。
また、医療用マスクを着ける乗員もいれば着けない乗員もおり、「熱のある人が自分の部屋から歩いて医務室に行くなどの行為が通常で行われている」と語った。
岩田教授は、感染対策の専門家が常駐していないことを問題視。「ときおり来たとしても何も進言できないし、進言しても聞いてもらえない」とした上で、「やっているのは厚労省の官僚たちで、私も厚労省のトップの人に相談したが、嫌な顔されて聞く耳持つ気はないと(感じた)」と語った。
菅義偉官房長官は19日午前の会見で、動画について聞かれ、「2月5日以降、乗員についてもマスクの着用、手洗い、アルコール消毒などの感染防御策を徹底するとともに、乗員の感染が確認された場合、同室の乗員も自室待機にするなど、感染拡大防止策を徹底して取り組んできている」と述べた。
(久保信博)
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