バレンタイン反対!? 《異教徒の祭り》にイスラム教主流の国は「祝うな、避妊具売るな」と強要
1人バレンタインデーの過ごし方
こうしたなかで「ジャカルタ・ポスト」紙には「なにもバレンタインデーは男女2人で過ごすだけではない、1人バレンタインデーもいいものだ」とする署名記事も掲載された。
記事では主要書店が書籍の割引セールスを実施していることやハーゲンダッツやバーガーキングは1人で来店しても特典があるということも紹介。さらに、バレンタインデーに1人で過ごすときにふさわしい音楽10曲なども列挙して「1人バレンタインデー」の過ごし方を提案している。
こうしたなか、あるイスラム教徒の女性はSNSで「バレンタインデーは我々イスラム教徒の文化ではない。しかし2月14日にパーティーを開いて盛大に盛り上がるのは我々インドネシア人の文化である、さあみんな集まれ」と呼びかけた。
このようにイスラム教徒大国はバレンタインデーをめぐって世代間、宗教間での賛否両論が渦巻きながらも、それぞれの思いを胸にそれぞれのバレンタインデーを迎えている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。