新型ウイルスPCR検査「1日3000人可能」 厚労省発表に検査機関から疑問の声
「実際どの程度可能かは分からない」
こうした状況に関して、厚生労働省では「3000件以上の検査能力は確保している」(健康局結核感染症課)と認識しているが、「各検査機関や大学病院での検査がどの程度可能かは実は聞いてもよくわからない。検体がきたら優先的な検査を期待するしかない」(同課)という。
感染がまん延してきた場合の検査体制については「治療薬のないウィルスだけに、隔離しか方法がない。検査結果が分かってもあまり意味がなく、誰でも無限に検査対象を広げるわけではない、という考え方もある」(同課)としている。
インフルエンザのように、全国5千か所程度の病院に絞ったり、地域を限定して検査を実施する方法もあるが、同省では国民の不安を踏まえれば、そうした一部の医療機関に人が殺到する状況も考えられ、現実的な対応ではないとしている。
前述の大学病院医師も「感染が広がり、不安に思う国民が誰でもPCR検査を受けられるような体制ではない」と指摘する。
簡易キットによる検査を全国のクリニックで行う方法もあるが、そうしたキットの開発に着手している東京のデンカ生研では、まだ今回のウィルス検体の入手ができていない状況で、開発時期のめどはたっていないという。キットが完成すれば、15分程度で感染の有無が判明するとしているが、それでも、確定診断のためにはPCR検査が必要だという。
(編集:石田仁志)
[東京 ロイター]
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