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欧州ドイツSPD党首選、連立懐疑派が勝利 メルケル連立政権の先行き不透明に
ドイツ連立政権の一翼を担う社会民主党(SPD)は11月30日、新党首を選ぶ党員投票の結果を公表。保守派との連立に批判的なワルターボーヤンス氏(左)とエスケン氏のペアが勝利し、政権の行方に不透明感が生じている(2019年 ロイター/Fabrizio Bensch)
ドイツ連立政権の一翼を担う社会民主党(SPD)は11月30日、新党首を選ぶ党員投票の結果を公表した。メルケル首相の保守派との連立に批判的なワルターボーヤンス氏とエスケン氏のペアが勝利し、政権の行方に不透明感が生じている。
両氏の勝利を受け、早期の解散総選挙や少数与党の可能性が高まる一方、極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が第3党に勢力を伸ばす中で、政局不安にもつながりかねない情勢だ。
ワルターボーヤンス、エスケン両氏は、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立協定を再交渉し、社会的公正や投資、環境政策をより重視した内容に見直すことを求めている。
ワルターボーヤンス氏は公共放送ARDで1日、こうした取り組みに連立相手が非協力的であれば、連立を継続できないという決断を下さざるを得ないと述べた。
一方、CDUに所属するノルトライン・ウエストファーレン州のラシェット首相は放送局ドイチュラントフンクに対し、「再交渉することは何もない」と断言した。
党首選で敗れたショルツ財務相とゲイウィッツ氏のペアは、ワルターボーヤンス、エスケン両氏を支持する考えを示した。SPDの党員は12月6日から始まる党大会で新党首を正式に承認するとともに、連立を巡る投票も実施する見通し。
SPD党員は、新党首が連立離脱ではなく、CDUに財政均衡目標の取り下げや最低賃金引き上げなど一段の譲歩を求めることを提言するとみている。
しかし、CDUのアルトマイヤー経済相はハンデルスブラット紙に対し、財政均衡はCDUの選挙公約の柱の1つだったと述べ、断念すれば若い世代への負担が増すとの見方を示した。
クレックナー農業相も、連立協定の再交渉はあり得ないとし、CDUは公約を堅持すると強調した。
CDUのクランプカレンバウアー党首は、SPDに連立にとどまるよう呼びかけ、既存の連立協定が前進の基盤になると指摘。「CDUにとっては、連立を支持する立場は明確だ。われわれはこれまでの合意に基づく連立を支持する」と述べた。
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