金正恩の成績表:対米交渉は落第点だが、国内経済は意外に悪くない?
アメリカとの関係に進展が見られない以上、最大の外交、安保、経済パートナーである中国やロシアとの関係を強化してきたことは戦略的に正しい。中国からの支援も、その果実だ。両国共に、現在は建国以来の良好な関係だと、ある北朝鮮関係者は言う。
ただ、最大の敵国であるアメリカとの関係をどうしたいのか。トランプを取り巻く状況を考えると、相手の歩み寄りを期待するのは厳しい。軍事挑発を続けて2017年のような危機を醸成することがあれば、制裁はさらに強化されて国民の首をじわじわと絞めていく。
経済重視を掲げる金が、そこをどう解決していくのか。来年こそ、その政治的手腕が問われる。
<本誌2019年12月24日号「首脳の成績表」特集より>
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2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。