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トランプ、支持基盤のキリスト教福音派雑誌が批判「過激なまで不道徳、強欲、汚職、人種攻撃......」

2019年12月24日(火)15時00分

米国の福音派の雑誌「クリスチャニティー・トゥデイ」が再びトランプ大統領を批判する論評を掲載した。大統領の「権力の乱用」を指摘し、信者に対して大統領に対する忠誠心についてよく考えるよう促した。写真は21日 米フロリダ州で撮影(2019年 ロイター/Marco Bello)

米国の福音派の雑誌「クリスチャニティー・トゥデイ」が再びトランプ大統領を批判する論評を掲載した。大統領の「権力の乱用」を指摘し、信者に対して大統領に対する忠誠心についてよく考えるよう促した。同誌は前週、トランプ大統領の罷免を求める論評を掲載して議論を巻き起こしたばかり。

同誌は福音主義派のキリスト教徒向けに発行されており、発行部数は13万部。毎月430万人がウェブサイトを閲覧しているという。

前週掲載された論評は、トランプ大統領が「大いに不道徳」な行動を取っていると糾弾。これに対してトランプ大統領はすぐさま反論し、数十人の福音主義派の指導者らも反発した。

福音主義派はトランプ大統領の支持基盤。

22日に掲載された新たな論評(https://www.christianitytoday.com/ct/2019/december-web-only/trump-evangelicals-editorial-christianity-today-president.html)で、同誌のティモシー・ダルリンプル社長はトランプ氏が「われわれにとって大切な理念のために、たくさん良いことをした」と評価する一方、福音主義者がトランプ氏を受け入れることは、同氏の「過激なまでの不道徳、強欲、汚職、あつれきを生む言動、人種攻撃、移民や難民に対する残酷さや敵意」に縛り付けられることを意味すると主張した。

論評はトランプ政権による最高裁人事や「生活、家族や信教の自由の擁護」を称賛する一方で、「大統領の功績を称賛することと、大統領の明らかな権力の乱用を許したり、否定したりすることは全く別の問題だ」と指摘した。

同社長は2020年に「キリスト教徒としてのわれわれの活動が、市民としての活動をどのように形作るかについて真剣な議論を始める」方針も示した。

同社長は、クリスマスが過ぎるまではインタビューに応じないとしている。

ピュー・リサーチ・センターによると、キリスト教福音派は全米有権者の約25%を占めている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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