習近平を国賓として招聘すべきではない――尖閣諸島問題
中国はアメリカから制裁を受けると、必ず日本に微笑みかける。これは中国の常套手段だ。ここまで明らかな中国の術策に、まんまと嵌る安倍政権に警告を発し続けてきた。
今回は、海上保安庁のHPにある「尖閣諸島周辺海域における中国公船等の動向と我が国の対処」から、以下のグラフを基に、「習近平国賓招聘反対」を表明したい。
以下に示すのは、「接続水域内で確認した中国公船の隻数(延隻数/月)(青色の折れ線)と「領海に侵入した中国公船の延隻数/月」(赤色の棒線)を表したものである。
図2:尖閣諸島周辺海域における中国公船等の動向と我が国の対処
当該HPの説明にもあるように、2008年からプロットし始めているのは、「2008年5月7日、日本を公式訪問した胡錦濤国家主席と福田康夫総理(肩書きはいずれも当時)が、「今や日中両国が、アジア太平洋地域及び世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識で一致した」というのに、その半年後の同年12月8日に、中国公船が初めて尖閣諸島周辺の我が国領海内に侵入したからだ。
胡錦涛-福田康夫両氏が交わした約束の言葉と、安倍首相が記者会見で言った言葉を比べて欲しい。
胡-福田:「今や日中両国が、アジア太平洋地域及び世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識」で一致した。
安倍首相:日中両国はですね、アジアや世界の平和、安定、繁栄に共に大きな責任を有しています。
笑ってしまうくらいに、そっくりではないか!
つまり、このような認識を「言葉」で共有してみたところで、絵に描いた餅、空理空論!
実際の行動は伴っていないどころか、全く、その逆なのである。
事実、海上保安庁HPの説明にあるように、「2010年9月7日の尖閣諸島周辺の我が国領海内での中国漁船衝突事件以降は、中国公船が従来以上の頻度で尖閣諸島周辺海域を航行するようになった」。
この2010年というのは、中国のGDP規模が日本のGDP規模を超えた年である。すなわち、図1に示したように、日本が対中経済封鎖を解除してあげたことによって中国経済は急激に成長し、その結果、日本のGDPを2010年に超えた。
図2を見れば歴然としているが、2010年前後に、経済的に強くなった中国は日本を見下し、言葉とは裏腹に日本国の領土である尖閣諸島周辺を侵犯し始めるのである。
2012年に、いわゆる尖閣諸島の「国有化」が成されたことを口実に、中国の尖閣諸島の領海・接続水域への侵入は絶えたことがない。
今では中央テレビ局CCTVでは、毎日、毎時間、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の天気予報を「中国の領土領海の天気予報」として流し続けている。