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ウクライナ

トランプのウクライナ疑惑より切実な「ウクライナ問題」とは何か

2019年12月9日(月)11時05分
タチアナ・スタノバヤ(カーネギー国際平和財団モスクワセンター研究員)

この2年ほどは、強硬派の影響力が弱まっている。一部の官僚やリベラル派の間では、EUによる対ロシア制裁の緩和につながるのであれば、いくらか態度を軟化させてもいいのかもしれないという声もささやかれ始めている。

これまでロシアがこの問題で姿勢を転換させる最大の障害になってきたのは、少しでも譲歩すれば欧米の圧力と要求がいっそう強まるに違いないという発想だ。

この考え方は、ロシアの指導部に深く根を張っている。そのため、ウクライナ東部地域への影響力は何があっても死守しようとするだろう。そしてこの恐怖心を抱き続ける限り、ロシア政府が東部地域を手放すより小さな譲歩ですらすることはなさそうだ。

それでも、アメリカ政府は、ロシア指導部内に軟化に前向きとも受け取れる動きがあることを見過ごすべきではない。ウクライナ問題解決への道はそこから始まる。

From Foreign Policy Magazine

<2019年12月17日号掲載>

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