米下院、ウイグル人権法案を圧倒的多数で可決 米中の新たな火種になる可能性も
米中通商交渉に影響も
中国政府のスタンスに詳しい複数の関係筋はロイターに対し、ウイグル人権法案の可決で米中の緊張が高まり、「第1段階」の通商合意の成立が危ぶまれる恐れがあると指摘。対中追加関税の発動期限が迫っており、米中の緊張が一段と高まりかねないとの見方を示した。
ある中国政府当局者は匿名を条件に、「鉄が熱いうちに」合意に至る道筋を見つけなければ、合意成立までに非常に長い時間がかかる可能性があると指摘。
別の中国当局者も匿名を条件に、米政府が今月15日に対中追加関税を発動すれば、中国も報復関税を発動すると予想。そうなれば米中交渉に深刻な悪影響が出るとの見方を示した。
在中国の米大使館はロイターに対し、中国が対抗措置を講じる可能性について憶測はしないと表明。「中国が恣意的に拘束している人々を直ちに全員解放し、2年以上にわたって新疆の自国民を脅かしている過酷な政策を中止することを引き続き求める」とコメントした。
中国外務省の華春瑩報道官は4日の会見で、ウイグル人権法案可決が米中通商協議に影響を及ぼすかとの質問に対し、米中の重要分野での協力に影響を及ぼすとの見解を示した。
中国として対抗措置を検討しているかとの質問には、中国の利益を損ねる者は「相応の代償」を払うことになると述べたが、具体論には踏み込まなかった。
12月10日号(12月3日発売)は「仮想通貨ウォーズ」特集。ビットコイン、リブラ、デジタル人民元......三つ巴の覇権争いを制するのは誰か? 仮想通貨バブルの崩壊後その信用力や規制がどう変わったかを探り、経済の未来を決する頂上決戦の行方を占う。