アマゾン年末商戦を狙って各地でストライキ、賃上げ求める
Amazon Black Friday Protests in Europe: What We Know
Brendan McDermid-REUTERS
<年末の重要なセール期間に、欧州各地でアマゾンに抗議するストライキが頻発。賃上げと労働環境の改善を訴える運動に対し、アマゾンは労組の策略だと反発する>
オンライン小売大手アマゾンにとって11月29日の大型セール「ブラックフライデー」は、1年で最も忙しい日のひとつ。この日を狙って、ヨーロッパ各地の従業員が、賃上げと労働環境の改善を求めるストライキを行った。
ストは週末を通して続き、次の年末大セール「サイバーマンデー」の間も行われる。
アマゾン幹部は本誌に対し、同社が従業員に支払っている賃金は、同じ職種内では最高レベルだと回答。背後でストライキをけしかけた組合が、メディアをミスリードしていると付け加えた。
ドイツのサービス産業労働者の組合「統一サービス産業労組(ベルディ)」は、フランスとドイツのアマゾンに対するストライキを組織した。ベルリンに拠点を置くベルディには、1000を超える業種から200万人以上の組合員が加盟している。2013年の春以降、アマゾンに対するストライキを何度も行ってきた。
「労組が求める条件を、アマゾンはすで提供している。それなのに、自分たちに都合のいい間違った情報ばかり発信している」と、アマゾンの広報担当者はヤフー・ファイナンス!に対する声明で述べた。
イギリスのストライキを組織したのは約6万2000人の労働者が加盟するGMBユニオンだ。同労組はストライキ当日の声明で、国内のアマゾン労働者は頻繁に負傷や意識喪失で救急搬送されているため、安全な労働環境の確保を重視すると宣言した。
トイレにも行けない高密度
GMBによると、11月29日にはロンドンをはじめイギリスの8つの都市にあるアマゾンの物流センターで、抗議の集会が開かれた。
同組合は、ストライキの理由を説明するためにいくつかの調査結果を挙げた。2018年の報告によれば、アマゾンの労働者の大多数が、生産目標を達成できなくなる恐れから、トイレの使用を我慢していたという。
GMBは声明の中で、同組合のアマゾンに対する調査によって、アマゾン倉庫への救急車の出動要請は3年間で600回を超え、600件を超える重傷のケースがあったと報告した。
アマゾン側は、この抗議活動にアマゾンの従業員は参加しておらず、イギリス国内で抗議活動が行われたのは8カ所どころか、3カ所だけだったと主張している。
「GMBは、アマゾンでの労働条件についてメディアや一般の人々を誤解させているように、抗議集会についても間違った情報を流している。すべては組合の会員数を増やし、会費による収入増加をめざしてのことだ」と、アマゾンの広報担当者は応えた。
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