40代ロスジェネの年収は10年前のバブル世代より50万円も低い
労働者の稼ぎにも、世代間の差が出ている。バブルとロスジェネの所得中央値(男性)を、4つの年齢段階で比較すると<表1>のようになる。
20代後半ではバブルが346万円、ロスジェネが324万円で、この段階で22万円もの差がついている。30代前半では65万円、30代後半では75万円、40代前半では50万円の開きだ。ロスジェネでは、非正規雇用の率が高いためだろう。
4つの年次の差の合算は207万円で、単純に考えると40代前半までの20年間の所得総額は1000万円以上違っていることになる。退職金も含めた生涯賃金だと、両世代では3000万円近くの差になるかもしれない。
ロスジェネ支援のため、今後3年間で650億円以上もの財源を確保する方針が示されている。人数的に多い当該世代の社会参加を促すことは、人手不足に悩む社会にもプラスになる。
成熟社会になるにつれ「公」の仕事の比重が増すが、日本の労働者の公務員比率は各国で比較すると低い。民間が好景気なこともあり、新卒の受験者は減少傾向だ。ロスジェネを活用しない手はなく、当該世代限定の採用試験を行う自治体が続出しているのは評価できる。
こういう取り組みを広げることが、長らく続いてきた硬直的な日本の雇用慣行を変革することにもつながるのではないか。
<資料:文科省『学校基本調査』、
総務省『就業構造基本調査』>