最新記事

SNS

TikTok美容動画に忍ばせた中国批判、運営元があっさり謝罪した理由

2019年12月2日(月)14時20分
タレク・ハダド、長岡義博

中国生まれのSNSで中国を批判したアジズ @GETMEFAMOUSPARTTHREE/TIKTOK

<中国発のSNSで中国を批判したアメリカ人少女のアカウントが一時削除され、復活した。米側責任者の釈明内容は?>

中国生まれのSNS「TikTok(ティックトック)」に投稿した美容動画の途中に、共産党によるウイグル人弾圧の批判をナレーションで挟み込む──。ある意味、高度な抗議活動をアフガニスタン系アメリカ人フェロザ・アジズが実践した。

フェロザ・アジズのオリジナル投稿 Viral Curiosity-YouTube


17歳のアジズは11月末、「まつ毛をカールする方法を教える」と語る動画に「中国は罪のないイスラム教徒を強制収容所に入れている」と、中国政府が新疆ウイグル自治区で続けている弾圧の告発を紛れ込ませた。動画は計150万回以上再生された。

アジズのアカウントはいったん削除され、その後復活した。米国TikTokの安全問題責任者エリック・ハンは「削除は人為的ミスだった」と釈明・謝罪したが、中国にとって敏感なウイグル問題であっさり謝ったのは、中国版TikTok「抖音」とは別アプリであり、独自の方針で運営されているからだろう。

アジズは「説明になっていない」と蹴っ飛ばしたが。

<本誌2019年12月10日号掲載>

【参考記事】中国共産党の影が動画アプリ「TikTok」を覆う
【参考記事】ムスリム世界が「同胞」ウイグルの悲劇を無視する訳

20191210issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月10日号(12月3日発売)は「仮想通貨ウォーズ」特集。ビットコイン、リブラ、デジタル人民元......三つ巴の覇権争いを制するのは誰か? 仮想通貨バブルの崩壊後その信用力や規制がどう変わったかを探り、経済の未来を決する頂上決戦の行方を占う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルビオ氏、米国務省の欧州担当トップに元側近起用 欧

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、低下続く 4月確報値52

ビジネス

金融市場、関税政策に適応=トランプ氏

ビジネス

トランプ関税、英ではインフレよりデフレ効果=グリー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 3
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 4
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中