最新記事

中国ネット

バットマンが火炎瓶で香港デモ支援? 中国ネット激怒で出版社がPR画像を削除

Batman Poster Accused Of Supporting Hong Kong Protesters

2019年11月29日(金)14時00分
トゥファエル・アフメド

『バットマン』シリーズ最新作の表紙画像 DC Comics

<『バットマン』シリーズ最新刊のPR画像が「香港デモ支援」と大炎上――しかし画像削除には「自主規制」の行き過ぎという批判も>

米コミック出版社「DCコミックス」が『バットマン』シリーズ最新刊のPRのために製作したイメージ画像が、香港で繰り広げられている民主化要求デモを支援しているとの理由で中国ネットユーザーの批判を浴びた。

DCコミックスは今週、バットマンが火炎瓶を投げようとしているイメージ画像をネットで拡散した。背景には、明るいピンクの文字で「The future is young.(未来は若い)」というメッセージが書かれている。

(DCコミックスが中国から香港デモ支援と糾弾されてこの画像を削除)


しかしDCコミックスがこの画像をインスタグラムやツイッターに投稿したところ、同社のアカウントは中国のソーシャルメディアのユーザーからの批判であふれかえった。中国ユーザーは、画像が中国本土に対して民主的自由を求める香港のデモ隊を暗に支援している、と主張している。

その後、同社はこのイメージ画像をソーシャルメディアから削除した。

中国共産党系の新聞「環球時報」の英語版「Global Times」によると、イメージ画像は中国のソーシャルメディア微博(ウェイボー)のユーザーから批判を受けて大炎上した。ウェイボーの月間ユーザー数は4億人に上る。

「香港が本物のゴッサムシティ(バットマンの舞台となっている架空の犯罪都市)になるって? でも香港の暴徒はバットマンではない。実際には彼らはゴッサムシティの犯罪者だ」と、ウェイボーユーザーの1人は書いている。

「あれ(香港デモ隊)はバットマンじゃない! バットマンはあんなことはしない」という別の書き込みもあった。

さらに中国のユーザーは、DCコミックスが香港デモ隊を支援していると受け取れる、と主張して同社製品をボイコットすると脅迫した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

鉱物協定巡る米の要求に変化、判断は時期尚早=ゼレン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 7
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中