母親に育児放棄されたチーターが、犬の「代理きょうだい」と大親友になれた理由
A Cheetah at Cincinnati Zoo Has Become Best Friends with a Rescue Dog
シンシナティ動物園のチーター、クリス(左)と救助犬レムス(右)は大親友になった Cincinnati Zoo & Botanical Garden/FACEBOOK
<母親にすてられて動物園にやって来たチーターの子供は、親友になった救助犬と一緒に元気に成長中>
チーターと犬が自然界で仲良くなることなど考えにくい。しかしシンシナティ動物園では、チーターの子供と犬を一緒に飼育するプログラムが成果を上げている。
チーターの雌の子供クリスと世話役の救助犬レムスが暮らすのは、オハイオ州南西部シンシナティにあるシンシナティ動植物園。今年9月に2匹が最初に出会った時、クリスは大きな不安を抱えていた。
しかし以下の動画を見れば分かるように、クリスは次第にレムスに打ち解け、2匹はすっかり仲良くなった。それ以来、動物園はクリスが成長してレムスと友情を育む姿を撮影した動画を、フェイスブックで随時公開している。
動物園がブログで説明しているように、チーターと犬を一緒に飼育するのは様々な理由があり、シンシナティ動物園でも、クリスとレムスの以前にも一緒に飼育したことがある。これまでに6つのペアが成功し、1981年の最初のペアはチーターのエンジェルと大型犬グレート・デーンのドミニクだった。
その後、サラとレキシー、トムとパウワウ、ドニとムースのペアができ、最後のドニとムースはこの3年間、ずっと親友として過ごしている。これは、1匹で動物園にやって来たチーターに一緒に遊べる代理の「きょうだい」を提供する、シンシナティ動物園の「キャット・アンバサダー・プログラム」の一環として行われている。
クリスのように対象になるチーターの子供は、母親から育児を放棄されていることが多い。きょうだいの中で1~2匹だけが生き残るようなケースだ。メスのチーターは、もっと多くの3~5匹の子供を育てるために、今の子供たちを放棄して母乳も止めてしまうことがある。アメリカ動物園水族館協会(AZA)の記録ではチーターは最大で8匹の子供を育てる。