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ブレグジット英保守党、EU出身移民の優遇措置撤廃を公約「全ての人を公平に」
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英与党・保守党は、12月12日の総選挙で勝利した場合、欧州連合(EU)からの移民に対する優遇措置を2021年1月に撤廃するとの公約を打ち出した。写真はヒースロー空港の入国審査場。2018年9月3日、ロンドンで撮影(2019年 ロイター/Toby Melville)
英与党・保守党は17日、12月12日の総選挙で勝利した場合、欧州連合(EU)からの移民に対する優遇措置を2021年1月に撤廃するとの公約を打ち出した。
EU離脱(ブレグジット)後の移行期間が2020年末に終了するのに伴う措置。
保守党が公表した詳細な移民政策によると、EUからの移民が社会保障給付の受給資格を得るまでの待機期間を現在の3カ月間から5年間に延ばす。
ジョンソン首相は声明で「EU離脱は英国に来る全ての人を公平に扱う機会となる。われわれは移民制度を平等なものにする」と表明した。
保守党はまた、来年から、公共医療を提供する国民保健サービス(NHS)を利用する際に移民が支払う上乗せ額を400ポンドから625ポンド(800ドル)に引き上げ、全ての外国人労働者が利用できるようにする案を示した。
EUとのヒトの自由な移動は移行期間が終了する20年末に終わるため、その後はEU出身の移民も上乗せ額の対象となる。同措置により年間5億ポンド強の収入を見込む。
保守党は、英国に移住するには大半の人は、その出身地にかかわらず、職を確保している必要があるとした。ただ、科学分野の高度人材や起業を計画する移民は適用除外になるという。
キャメロン元首相とメイ前首相は移民の年間純増数を10万人以下に抑えるという公約を守れず、厳しい批判を受けた。8月に公表された直近の統計によると、純増数は20万人を超えている。
保守党はこれまで、EU離脱後の移民管理に点数制度を導入するとも約束している。
ラーブ外相は英BBCテレビで保守党がどれだけ移民を減らすか問われ「恣意的な目標は設定しない」と回答。「政府と議会が移民に対する管理能力を確保し、移民のメリットを享受する一方でコスト負担や負荷を制御できるようにするというのがわれわれの目指すところだ」と述べた。
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