地雷撤去はアフガン女性の自立と夢への第1歩
Afghan Women Taking Their Country Back
目標を達成するべく、地雷除去チームの女性たちは手作業で除去を進めている。最も近い道路から険しく曲がりくねった山道を登ること3時間、岩だらけの地面を地雷探知機でスキャンし、地雷や不発弾の破片の磁気特性を探す。
疑わしい物体が見つかったら、探知機で種類と位置を正確に見極めながら、ひざまずいて掘らなければならない。地雷などの爆発物を突き止めたら、さらなる危険を避けるため、必ずといっていいほどその場で爆破する。チームのうち4人は間もなく、地雷除去プロセスのこの重要な部分の訓練を受ける予定だ。
対人地雷は人を殺すことではなく、重傷を負わせるのが目的という場合が多い。敵の兵士が死亡しても敵が1人減るだけだが、負傷した場合は他の兵士が病院に搬送するので、1回の爆発で複数の敵が戦場を離れるという、恐ろしくしたたかな計算だ。
アフガン女性の手本に
しかし、至近距離での除去作業は命取りになりかねない。女性たちには地雷除去の標準的な安全装備が支給される。分厚い防弾チョッキは、真昼の太陽の下ではひどく暑いが、胴体、首、鼠径(そけい)部を保護する。割れても飛散しにくいポリカーボネート製バイザーで顔を守る。だが手足を保護するものはなく、女性たちの大部分は標準装備の除去作業用つなぎに、園芸用手袋とスニーカーという格好だ。
保護装備を着用しても、偶発的な爆発が起きれば負傷する可能性が非常に高い。今のところ女性チームに負傷者はいないが、今年になってバーミヤンで地雷除去作業をしていた男性2人が死亡している。
こうした命懸けの作業のおかげもあって、バーミヤンから地雷が完全に除去される日は近い。その暁には、汚染されていた土地は全て地元に返却され、その大部分がバーミヤンの主力産業である農業に使われるはずだ。
地元での除去作業が完了したら、地雷除去チームのメンバーは地雷原から離れ、もっと安全な役目を担うことになる。他の州に足を運び、自身の専門知識を活用して新たに女性だけの地雷除去チームを訓練するのだ。
女性だけの地雷除去チームは圧倒的な成功を収めてきたが、文化的変化においては小さな一歩にすぎない。そうした変化がこの国のより伝統的で保守的な地域に拡大するには、何年もかかりそうだ。女性の進歩となると、国の大部分は自身の地元バーミヤンよりはるかに遅れていると、アタイーは認めた。「女性が外に出ることさえ許さない地域もある」