「共感の男」だったジャック・シラク元仏大統領から学ぶべきこと
ところが、その頃にはフランス国民からの評価が高まり始めていた。近年は、ベイユに次いで2番目に人気のある政治家に選ばれることも多かった。
なぜ、シラクは愛されたのか。もちろん、前述のような偉大な振る舞いが評価された面はあるだろう。しかし、そうした政治姿勢の根底にあったのは人間としての優しさだ。シラクは多くの欠点を持った人物だったかもしれないが、優しさと思いやりを持った人物でもあった。
この資質は、いまアメリカのホワイトハウスやイギリスの首相官邸で見られないものだ。その点、フランスはまだましなのかもしれない。マクロン仏大統領は、昨年フランスを席巻した「黄色いベスト運動」を少なくとも忘れてはいないようだ。
もっとも、マクロンがこの運動から何かを学んだのかはまだ分からない。シラクを手本にして行動すればいいのだが。
©2019 The Slate Group
<本誌2019年10月8日号掲載>
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