最新記事

中国

安倍首相の祝賀ビデオメッセージが中国のCCTVで大写し──中国建国70周年記念

2019年9月27日(金)19時30分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

日本経済を成長させるためには致し方ないという考え方もあろうが、その結果、言論弾圧をする一党支配の共産主義国家が全世界を制覇することになるのだ。全人類が、あの監視社会と言論弾圧の下にひれ伏すような世界を招くための手助けを、いま日本はしているのである。

かつて、「その先が読めない日本」は、大本営の報道を信じて戦争へと突き進んでいった。

その日本の盲目性は、まるで日本の国民性のように今も厳然として存在する。

香港の若者たちが、あれだけ命を懸けて「言論の自由」と「民主」を守ろうとしているのに、日本は何をしているのか。

何も見えないのか。

「未来」を見る目を捨てたのか。

1948年の国共内戦で、共産党軍の食糧封鎖により餓死体の上で野宿した経験さえ、大陸では公開することが許されない。そのような言論弾圧をしている中国が、日本政府の目には見えないのだろうか。

筆者がこの齢になってもなお、執筆活動を続けるのは、この言論弾圧と闘っているからだ。そのためには何があっても、警鐘を鳴らし続ける。これは餓死せずに生き残った者の使命だと、自分に言い聞かせている。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

この筆者の記事一覧はこちら≫

endo2025.jpg[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪政府「予算管理している」、選挙公約巡る格付け会社

ビジネス

TDK、今期の営業益は微増 米関税でリスクシナリオ

ビジネス

三菱電の今期、米関税で300億円コスト増 営業益は

ワールド

ECBは利下げ余地ある、トランプ氏の政策機能ぜず=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中