宇宙人ハンター数万人襲来? 人口50人のUFO伝説の町に緊張走る
犯罪と牛が心配の種
ロバーツ氏は現在では、エリア51ではなく、レイチェルで3日間にわたって開かれる音楽祭エイリアンストックに参加するよう呼び掛けている。
ウェストさんは、音楽祭の来訪者向けのキャンプ場と駐車場として30エーカーの用地を確保する許可を現地の土地所有者から受けた上、給水車や警備員も手配した。
エイリアンストックの駐車場とキャンプ場の利用許可証を販売しているウェブサイトには、出演者は掲示されていない。ロバーツ氏は、コメントの求めに答えなかった。だが、町の人々はたくさん言いたいことがあるようだ。
レイチェルとエリア51の歴史に関するウェブサイトを運営しているイエルク・アルヌさんは「このイベントに反対しているわれわれのような住民もいる」と指摘。「砂漠の中の小さな美しい町、レイチェルが破壊されてしまう」と語った。
アルヌさんは、期間中は人々を締め出すため、レイチェルにつながる2車線道路を封鎖するよう当局に要請している。来訪者の中には「一定数の犯罪者」も含まれるだろうし、群衆が財産を傷付けそうだと住民は心配しているという。
町の電力や携帯電話サービス、インターネットなどがダウンしないか、来訪者が路上の牛と衝突しないかと、アルヌさんは心配する。町では毎年、見通しの効かない夜間に牛と自動車が衝突する事故が起こるのだという。
こうした中、ウェストさんは訪問予定者に対し、暑い日中と冷え込む夜間、それぞれに備えた衣服のほか、水や燃料を持参するよう呼びかけている。
65キロほど離れたネバダ州の町ヒコでも、「エイリアン・リサーチ・センター」と称するギフトショップで9月20、21の両日、食品販売やバンド演奏、ゲームなどの催しを盛り込んだイベントが計画されている。
レイチェルとヒコが属するリンカン郡の行政当局者は、緊急事態宣言の草案を策定するなど準備をしている。
ウェストさんは、突然盛り上がったエリア51への興味を受け入れるしか、この地域には選択肢がないと言う。抵抗すればもっと陰謀説を煽りそうだからだ。
地元当局が来訪を控えるよう呼びかけていたら「われわれが何か隠していると思われただろう。政府とグルだとね」とウェストさんは語った。
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